日本の外務省が毎年発表している海外の日本人動向を表す「海外在留邦人数調査統計」を見てみた。在留届の集計データをもとに2017年10月1日段階の数字が発表されている。ちょうど1年前のものとなる。
全世界では135万1,970人と前年から1.01%伸びた。日本帰国を予定する長期滞在者は全体の約64%だが、前年から2,229人の減少。生活の拠点を海外に移した、もしくは持つ永住者が増えたようだ。
5年間で約7.4%増加。男女比率は男性48%に対し、女性52%。データによると、1999年から女性が一貫して上回るという。
日本国外に進出した企業の拠点総数は7万5,531で、前年から5.2%増えて2005年以降で最多。中国の約43%を含めアジア地域が約70%と圧倒的に多いが、米国にも全体の約11%が進出している。
邦人数では米国が最大で42万6,206人。昨年から1.1%増えた。シアトル地域は 12.2%と大きく増えて1万5,936人。各公館の地域別としてはロサンゼルス、ニューヨーク、サンフランシスコ、シカゴ、デトロイト、ホノルル、アトランタに次ぐが、前年からの伸びは他を大きく上回った。
シアトル地域をはじめとするノースウエストの日本人口における特徴として、永住者の割合が比較的多いと聞いている。ハワイなどもそうだが、国際結婚での移民者も多く女性比率が高い。数字を見ると、男性5,815人で、女性は1万121人だった。それでも今回のデータでは、シアトルの永住者での人口増8.5%に対し、長期滞在者の伸びが18.7%と著しい。
隣のポートランドは7,210人とわずかに増えた。領事事務所扱いだが、数字を落としたデンバー総領事館に数字で接近した。北のカナダのバンクーバーを見ると、3万3,583人。世界各地に置かれた在外公館の管轄下でも12位の規模を誇る。シアトルは25位だった。
数字はあくまで1年前のもので、また日本国籍保持者で在留届を提出した人数をベースとしたもの。それでも一定の指針として、シアトル地域におけるコミュニティーの姿を見るうえで大きな参考となるだろう。
(佐々木志峰)