ハワイ州の日系連邦下院議員マーク・タカイ氏が20日に死去した。まだ49歳の若さで、長年にわたり州議会議員を務め、満を持して連邦議会へ初当選してからわずか1年半ほどのことだった。家族関係者、コミュニティーの無念が伝わる。
ハワイ州は長年にわたり、連邦議会にも日系議員を選出してきた。故ダニエル・イノウエ上院議員をはじめ、日本とも政界を通じ、強いパイプ役を担ってきた。現在上議の一角を担うメイジー・ヒロノ議員は日本出身、アジア系として初めての女性上院議員となった。
14年には下院で活躍、イノウエ上議にも後任候補として強く推薦を受けていたというコリーン・ハナブサ下議(当時)が、上院へ鞍替えを目指すが僅差で敗戦している。
同年の下院選挙では、ハナブサ前下議の後任議員としてタカイ氏が選出されている。タカイ氏は闘病のために再選を辞退。ハナブサ前下議に「復帰」を薦めてきたとされる。6月上旬にハナブサ前上議は下院選に出馬することを発表している。
ワシントン州では012年にジェイ・インスリー知事が連邦下議から州知事への鞍替え選挙に臨むことで、州初となる日系連邦議員を目指し、スティーブ・ホッブス州上議が立候補したが、予備選で敗れた。ハワイ、カリフォルニアのような国レベルでの日系政治家の登場は、当地からはまだ少し待つことになりそうだ。
タカイ氏の死去は共和党の全米大会の開催中。今週は民主党の全米大会が開かれ、8月1週目には予備選挙が行われる。メディアは連日両大会の話題で持ちきりのなか、静かに死去したタカイ氏には全米日系市民協会ほか、バラク・オバマ大統領からも弔辞の声明が発せられている。
ワシントン州でも日系政治家の活躍は長年見られるが、今年はシャロン・富子・サントス州下院議員、ボブ・ハセガワ州上院議員が再選に臨むほか、11人が争う州副知事選には前述のホッブス州下議が立候補している。予備選挙は8月2日に行われ、11月8日の本選挙への最終候補者が絞られることになる。
(佐々木 志峰)