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復縁の行方、地球からの贈りもの〜宝石物語142〜

筆者:金子倫子

なぜか「長生きをしたな」と感じてしまった、まさかの復縁ニュース。約20年の時を隔てて、このカップルをまた見ることになるとは。ゴシップと言えばゴシップなのだが、それでもなぜかとても感慨深いものがあるのだ。

人生それなりに長く生きれば、叶わなかった恋や終わりをむかえた恋など、1つや2つはあるだろう。終わってスッキリな恋もあれば、消化しきれない思いを引きずる恋もあり。数えきれない「If」を頭に描いて、空想の淵に沈むことも終わってしまった恋にはつきもの。その後吹っ切れずに、くっついたり離れたりを繰り返す恋もある。ヨーヨーダイエットの様に、回数を重ねれば重ねるほど効果は減り、結局は別れに至ったり。しかし、それが10年20年の時を隔てた復縁となれば、嫌でも野次馬根性がうずいてしまう。

2002年の婚約から2004年の結婚式直前の婚約破棄から約20年の時を経て、ジェニファー・ロペスとベン・アフレックの復縁。同世代の私からすると本当に感慨深い。推定6.1カラットのラディアントカットのピンクダイヤモンド、推定価格$1.2ミリオン分感慨深いのだ。ベンが送った、ハリー・ウィンストンのこの婚約指輪は、婚約解消後にベンに返却されたとされる。その後、またハリー・ウィンストンに買い戻されたという記事も読んだが、実際は分からない。既製品ならともかく、オークション出品レベルの宝石などの値段は、あってないようなもの。このピンクダイヤモンドも実際の価格は分からない。更に本当に返却された否かの真相は分かるはずもない。

とにかく婚約破棄は本当で、その後ベンは別のジェニファー(ガーナー)と結婚して3人の娘に恵まれたが、離婚。ジェニファー・ロペスもベンとの婚約破棄の同年にマーク・アンソニーと結婚し、男女の双子に恵まれるが、ここも既に離婚している。

アンソニー氏としては一世を風靡したピンクダイヤモンドに負けるわけにはいかない、と思ったかは分からないが、推定8.5カラットのライトブルーのラディアントカットのダイヤモンド(推定価格$4ミリオン)を婚約指輪としてジェニファー・ロペスへ贈った。このライトブルーのダイヤモンドも、2019年のタウン&カントリー誌によればハリー・ウィンストンから購入とあるが、2005年2月号のインスタイル誌によれば、ショパールのバルハーバー店において、下見をした数日後に購入したと掲載されている。さあ真相はいかに?

2019年にも、元野球選手(マリナーズも含む)のアレックス・ロドリゲス氏から婚約指輪として推定10〜15カラットのエメラルドカットのダイヤモンドリング(推定$1〜5ミリオン)を贈られたジェニファー・ロペス。その交際は、今年3月に破局となった。実は、このダイヤモンドに関しても返却したか否かははっきりしていない。

婚約解消後の婚約指輪の返却義務はアメリカにおいては州によって違う。おさらいをすると、贈ったものだから贈与された人の所有物とみなす州と、結婚が前提の贈り物なので、結婚がなくなった以上贈与された者に所有権は無いとみなす州に分かれる。ただ、婚約破棄で婚約指輪を返却しても、慰謝料を請求できる権利はあるということになっている。

ベンが贈ったピンクダイヤモンドが婚約解消後に返却されたと思う理由は、復縁してから数か月だが全くあのダイヤモンドの気配が無いというのもある。保管してあるなら再登場させてもいい気もするが、再登場させれば返却していなかったのが分かるからそれが嫌かもしれないし。まあ実際の所は分からないが、この復縁が前回のジンクスを越えて結婚まで至るのか、やはり復縁は難しいとなるのかは、今後の展開が楽しみである。

復縁と言えば、既に両者とも他界しているが、エリザベス・テイラーとリチャード・バートンは2度結婚して2度離婚した。このカップルのような宝石に彩られた復縁となるのかどうか。約20年の時を経たジェニファーとベンの復縁劇と、新たな婚約指輪への期待に野次馬根性がうずいて仕方ない。

80年代のアメリカに憧れを抱き、18歳で渡米。読んだエッセイに感銘を受け、宝石鑑定士の資格を取得。訳あって帰国し、現在は宝石(鉱物)の知識を生かし半導体や燃料電池などの翻訳・通訳を生業としている。