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アメリカの「州魅力度」ランキング、ワシントン州が第1位に

5月14日に発表されたUSニュース・アンド・ワールド・リポートによるアメリカの州魅力度ランキング(Best States Ranking)で、ワシントン州が第1位となった。このランキングは、市民にとって生活上重要となる、ヘルスケア、教育、経済、インフラ、機会の平等性、州財政、治安、自然環境の8項目を比較し、総合的に計測したもの。ワシントン州は2018年の第6位から、大幅なランクアップとなった。

8項目のうち、ワシントン州が最も高く評価されたのは、経済(3位)とインフラ(2位)だ。ワシントン州は、ボーイングを始めとした航空機産業や、マイクロソフト、アマゾンなどIT産業の中心地として、近年の経済成長は目覚ましいものがある。商務省経済分析局の発表によれば、2017年から2018年の州別GDP成長率は国内で最大の5.7パーセントを記録している。また、インフラに関しては、インターネット環境が充実し、道路の整備や公共交通機関の発達がより進んだことが理由として挙げられるだろう。

逆に、順位が低かったのは機会の平等性(19位)と州財政(22位)だ。中でも機会の平等性においては、アフォーダビリティー(不動産購入のしやすさ)が全州で44位と非常に低い。ワシントン州内の平均収入に対し、不動産の平均価格が高く、住宅費用を賄い切れていない現状が浮かび上がる。

このアフォーダビリティーの調査結果に関連し、ワールド・ニュースが興味深いランキングを発表している。全米の都市における平均的なアメリカ人の出費額を調査しており、シアトルがアメリカの主要22都市のうち年間平均出費額第1位となった。ランキングは、2016年から2017年の1年間の支出についての、アメリカ労働局による消費者アンケートを元にしており、支出先は食費、住宅費、交通費の3項目。シアトル市民の年間平均支出額は8万3,790ドル (6,982ドル/月)で内訳はそれぞれ、食費に1万958 ドル (913ドル/月)、住宅費に2万6,965ドル (2,247ドル/月)、交通費に1万2,810ドル(1,067ドル/月)となっている。住宅費はサンフランシスコやワシントンDCには及ばなかったが、食費と交通費は共に第1位となった。

先のランキングと合わせると、近年のワシントン州は、州全体の経済は潤っているものの、その恩恵を受ける機会は平等ではなく、特にシアトルは一部の高所得者層にとってのみ住み良い街である、と言えるのかもしれない。詳しくは以下のウェブサイトにて(USニュース・アンド・ワールド・リポートワールド・ニュース

(坂元小夜)

 

東京都出身。早稲田大学第一文学部卒。ニューヨーク市立大学シネマ・メディア・スタディーズ修士課程を経て、2019年より北米報知社編集スタッフ。元バリスタの経歴が縁でシアトルへ。現在 シアトルまでフェリーで通勤中。