11月6日、JETRO(日本貿易振興機構)による日本酒セミナーがシアトル・セントラル・コミュニティ・カレッジにて開催された。主にレストランや流通関係者を対象にしたイベントで、日本酒の魅力をより知ってもらおうというPR活動の一環。当日は約30名が参加し、チーズとともに6種類の日本酒を試飲した。
セミナーでは、日本酒造青年協議会が承認した「酒サムライ」の称号を持つマーカス・パキサー(Marcus Pakiser)氏が、日本酒についての講義を展開。大吟醸・吟醸・純米の定義の違いや酒米の種類といった日本酒の基礎知識から、酒蔵の裏話までを情熱たっぷりに語った。「日本酒は本当にどんな食べ物にでも合う。“酒”と言えば“寿司”、この常識を覆したい」と、マーカス氏。また、ワインなどと違い、瓶のサイズが大きくなればなるほど1オンス当たりの単価が安くなる日本酒は、レストランにとって経済的にも魅力的だと言う。
JETROでは現在、日本酒のPRに力を注ぐ。2016年から2017年にかけて全米の日本酒消費量は16%拡大したものの、全体のアルコール消費量に占める割合はまだ0.1%に過ぎない。日本政府が定める農林水産物・食品の全世界への輸出目標1兆円に向け、世界最大のマーケットである米国で日本酒の輸出拡大を目指す。
この日、同僚たちと一緒にセミナーに参加した、市内の日本食レストラン、Yoroshikuに勤務するジェームズ・ターピン(James Turpin)さんは、近い将来、日本の酒蔵で修行することが夢というほど日本酒が大好き。「今日飲んだ渡舟は、自分が日本酒にハマるきっかけになった酒。同僚に日本酒について知ってもらう良い機会になった」と話していた。
(磯野 愛)