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ドニー・チン氏追悼式 約150人が参列、英雄の死を惜しむ

文:島 涼介

ドニー・チン氏の追悼式が23日にインターナショナル・ディストリクトにあるカントン・アレーにて行われた。遺族、友人、そしてチン氏を称える多くの人々が参列し、インターナショナル・ディストリクト救急センターを立ち上げてコミュニティーの治安維持に人生を捧げたチン氏の冥福を祈った。参列者は150人を超え、「Justice for Donnie (ドニーのための正義)」と書かれたバッジを襟に付けた前シアトル市長のマイク・マギンの姿も見られた。シアトル市の消防士や警察官も参列した。仮設されたチン氏の祭壇には何百もの折り紙の鶴が写真とともに飾られ、チン氏を思い返して涙する人々の姿も多くみられた。チン氏の親友であり、共にインターナショナル・ディストリクト救急センターを設立したディーン・ウォング氏は、「時は心の傷を癒すというが、いまだに私の心は癒されていない」と、チン氏の死から2年経った今でも悲しみの消えない胸の内を明かした。

チン氏の姉であるコニー・チン氏は、一族が1911年からインターナショナル・ディストリクトで経営してきた雑貨店「サン・メイ(Sun May Co.)」が地域と深く結びついてきたことを語り、カントン・アレーに移設されているサン・メイの店舗を週末もオープンしてチン氏を追悼する人々が訪れることができる場所を設けるとした。

チン氏は、2015年、救急センター活動中に地区内のギャング銃撃戦に巻き込まれて射殺された。遺族や友人らは市警察に事件の真相解明を強く求めているが、事件から2年経った今でも未解決だ。

北米報知は、ワシントン州シアトルで英語及び日本語で地元シアトルの時事ニュースや日系コミュニティーの話題を発信する新聞。1902年に創刊した「北米時事 (North American Times)」を前身とし、第二次世界大戦後に強制収容から引き上げた日系アメリカ人によって「北米報知(North American Post)」として再刊された。現存する邦字新聞として北米最古の歴史を誇る。1950年以前の記事は、ワシントン大学と北米報知財団との共同プロジェクトからデジタル化され、デジタル・アーカイブとして閲覧が可能(https://content.lib.washington.edu/nikkeiweb/index.html)。