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シアトル地域で利用できる経済支援

ワシントン州雇用安全局の発表によれば、3月の失業率はワシントン州で5.1%、シアトル・ベルビュー・エバレット都市圏で5.5%となり、それぞれ2月の3.8%と2.6%から大きく増加した。ワシントン州で失業率が5%を上回るのは、2016年11月から約3年半ぶりになる。同局は、4月はさらなる失業率を見込んでいるとしている。

こうした事態を踏まえて、米国連邦政府や州政府から多くの経済支援が発動されている。万一のために知っておきたい行政からの個人や世帯向けの経済支援をまとめた。

なお、姉妹紙『ソイソース』5月15日号では特別特集をくみ、不動産、住宅ローン、保険、税金・会計の専門家などから、更に詳しいアドバイスを掲載している。

1200ドルの現金給付

3月27日に成立したCARES(Coronavirus Aid, Relief, and Economic Security)法から、ひとり1200ドル(17歳未満は500ドル)の現金給付が始まっている。

外国籍でも、アメリカ居住者で社会保障番号を持つ就業資格者であれば給付対象になる。ただし、所得制限があり、2019年(同年が未申告なら2018年)の確定申告に基づく年間所得が、個人での申告で7万5000ドルを超えると減額となり、9万9000ドルより多い場合は全く受け取れない。扶養家族がいる世帯主の場合は、家族構成などによって異なる。IRS(米税務省)に銀行口座を直接登録している納税者や年金受給者は、自動的にその口座に振り込まれるが、そうでない場合はIRSの特設サイトから直接申請することができる。
詳細:www.irs.gov

失業手当拡充

CARES法により、失業手当の対象者や内容が拡充されている。通常は対象にならない自営業者、フリーランス、ギグワーカー(インターネットやアプリなどを通じて単発で仕事を請け負う労働者)などの個人事業主、また年間の労働時間が680時間に満たないパートタイム勤務者も、新型コロナの影響で失職した場合は給付対象となる。

給付期間も通常の26週間から最大39週間に延長可。さらに、失業前の収入によって算出される通常の手当に加えて7月25日までの期間、毎週600ドルの特別定額失業手当が付く。
詳細:https://esd.wa.gov

一時的な解雇や労働時間削減でも失業手当の対象に

ワシントン州雇用安定局では2つの助成プログラムを設定。シェアードワーク・プログラムでは、常勤雇用の従業員が1~5割の労働時間減少により給料が下がった場合でも、失業手当の給付対象となる。利用には、企業側が2名以上の対象従業員を登録することが必要で、承認されると1年間有効。

一時的な解雇の場合、その従業員が求職活動実績を報告することなく失業手当を受けられるスタンドバイ・プログラムも用意されている。こちらは自宅待機命令の期間中に限り、利用のための登録は不要。
詳細:https://esd.wa.gov

公共料金支払いについての特別措置

シアトル市で水道を管理するシアトル・パブリック・ユーティリティー(SPU)と、電力を管理するシアトル・シティー・ライト(SCL)では収入に応じた割引支援としてユーティリティー・ディスカウント・プログラムを提供。電気代は最大6割減、水道代は最大5割減となる。条件にもよるが、承認されると平均2年間有効。自治体により対応は異なるため、各地域の情報はウェブサイトなどで確認を。
詳細:www.seattle.gov

※情報は、2020年5月4日までに、各行政ウェブサイト掲載内容を日本語でまとめたもの。最新情報や詳細は、各行政ウェブサイトを確認するか、専門家まで問い合わせを。

(N・A・P)

北米報知は、ワシントン州シアトルで英語及び日本語で地元シアトルの時事ニュースや日系コミュニティーの話題を発信する新聞。1902年に創刊した「北米時事 (North American Times)」を前身とし、第二次世界大戦後に強制収容から引き上げた日系アメリカ人によって「北米報知(North American Post)」として再刊された。現存する邦字新聞として北米最古の歴史を誇る。1950年以前の記事は、ワシントン大学と北米報知財団との共同プロジェクトからデジタル化され、デジタル・アーカイブとして閲覧が可能(https://content.lib.washington.edu/nikkeiweb/index.html)。