奴隷解放を記念する6月19日の「ジューンティーンス」を祝日とする法律が連邦政府で成立した。
1983年にキング牧師の記念日が祝日となって以来で、米国で定められた毎年の祝日は11日。これに4年ごとの大統領就任式が加わることになるため、今年の祝日は12日となる。休暇時期に入り始める6月は学校年度も終わる時期で、メモリアルデーと独立記念日の間となる。祝日のない月は3月、4月、8月のみとなった。
日本における祝日を見てみると、1年で16日あるという。毎月ごとに祝日があるイメージを持っていたが、6月は12月とともに祝日のないひと月となっている。10月の「スポーツの日」は昨年、そして延期された今年と、東京五輪の開会式を予定する7月に移行された。
ジューンティーンスは150年あまりの歴史がある。1963年にエイブラハム・リンカーン大統領(当時)による「奴隷解放宣言」が行われ、その後、南北戦争終結後の1865年6月19日にテキサス州で最後の奴隷解放が行われた日を記念している。
ワシントン州政府は5月13日、連邦政府に先駆けて2022年からジューンティーンスを州の祝日にすることが決まっていた。2007年に6月19日をデイ・オブ・リメンブランスに指定され、記念日が祝われた週末はダウンタウン近くのスターバックスセンターやシアトル・マリナーズの試合会場となるTモバイルパークなどでも、同日を象徴する旗が掲げられていた。
筆者にとってデイ・オブ・リメンブランスといえば、第二次世界大戦下における日系人強制退去に関連した2月19日となる。仕事先でこの数年で耳にすることになるまで、ジューンティーンスは正直馴染みのある日ではなかった。昨年行われた大統領選挙の動きの中で、オクラホマ州タルサで今から100年前に起きた痛ましい虐殺事件についても知ることになった。
建国から250年弱の米国だが、学ぶべき歴史の多さを改めて実感する。まずはこの記念の一日に立ち会えた意義を心に留めたい。
(佐々木 志峰)