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地元日系芸術家ジョン・マツダイラ作品 エドモンズで公開中

エドモンズ市のカスカディア美術館で、当地出身の著名日系芸術家、故ジョン・マツダイラ(松平)氏(1922年2007年)の展示会が開かれている。

マツダイラ氏は当地で生まれ、金沢で幼少時代を過ごし35年に帰米。第二次世界大戦ではアイダホ州ミネドカ収容所に家族と送られ、のちに米軍に志願し第442連隊戦闘団に所属した。大戦後の芸術活動で地元で高い評価を受け、同じく地元日系芸術家のポール・ホリウチ(堀内)、ジョージ・ツタカワ(蔦川)、ケンジロウ・ノムラ(野村)らと活躍を見せた。

展覧会の題、「アゲインスト・ザ・ムーン」は同氏の人生、経歴を暗に示している。芸術家としての道を歩み始めた第二次世界大戦後、イタリア戦線で負傷し、身体的な困難がありながら、バーンリー芸術大学で美術を学んだ。作品はシアトル美術館などで展示され、高い才能を評価されてきた。

マツダイラ氏の作品の特徴として、抽象画にもある月光に照らされる情景がある。日が出ている間を描いた作品にさえも月が描かれ、不思議な趣を映し出している。光と内観の質が同氏の絵画の神髄となっている。家族を抱え、一般生活に追われる中、夜間に時間を見つけ、絵画に励んでいたという。

マツダイラ氏は寡黙で知られ、作品は優れた感性、才能を持ちながらも脚光を浴びることなく月光に対峙してきた同氏の人生を物語っている。

作品は8月23日まで展示されている。毎週水曜日から日曜日まで会館。詳しくは、<www.cascadiaartmuseum.org>まで。

シアトルセンター森澤さんアート公開

初夏を迎え、様々なイベントが行われるシアトルセンターで、地元アーティスト森澤直子さんの作品「モールスコード・プロジェクト(暗号アート)」が展示されている。

作品は全長10㍍以上になるパブリックアートで、庭の散水ホースに手を加え、モールスコードを組み込んで作られている。

作品は8月1日まで、シアトルセンター内のポエトリーガーデンで公開。シアトルセンターは芸術文化局と共にポエトリーガーデンの仮設芸術プロジェクトを年間にわたって取り組む模様だ。

(記事・写真 大間千奈美)

北米報知は、ワシントン州シアトルで英語及び日本語で地元シアトルの時事ニュースや日系コミュニティーの話題を発信する新聞。1902年に創刊した「北米時事 (North American Times)」を前身とし、第二次世界大戦後に強制収容から引き上げた日系アメリカ人によって「北米報知(North American Post)」として再刊された。現存する邦字新聞として北米最古の歴史を誇る。1950年以前の記事は、ワシントン大学と北米報知財団との共同プロジェクトからデジタル化され、デジタル・アーカイブとして閲覧が可能(https://content.lib.washington.edu/nikkeiweb/index.html)。