Home コラム 一石 市民交流に心温まる〜一石

市民交流に心温まる〜一石

By 佐々木 志峰

久々に日米の市民たちによる国際交流の話を耳にして心が温まった。ディズニーワールドをはじめ、多くのテーマパークを抱えるフロリダ州オーランド。「ディズニー」という共通点のある千葉県浦安市と、姉妹都市提携を結んでいる。

仕事現場で会ったボランティア女性もその活動に加わったひとり。学生交流の軸となるホームステイのホスト役をオーランド側で引き受けたそうで、数年前に使節団の一員として日本を訪れた時の話をしてくれた。 市役所の訪問、食事、ショッピングモールで利用した長いエスカレーターなどの経験談。もちろん文化面も。浦安市とオーランドは1989年に姉妹都市関係を結び、2019年に30周年を迎えている。おそらくその時のことだろう。

日本の印象として強調していたのが、「とにかくきれいだった。そして夜遅くでも普通に外出ができる。信じられなかった」。日本を含め、アジアと太平洋を分ける西海岸と異なり、東海岸の遠地。アジア系の関係者と遭遇することもめったになく、当地との違いを大きく感じていた最中だった。

自分からふと出てしまった「今は円安なのでまた絶対に行った方がいいですよ」との言葉――。とにかく物価高で、出張中の食事にも気を使う昨今。それでも、両国の経済の強弱を示すような話は、せっかく日本を好きになってくれた人には不要だったにちがいない。「草の根」という言葉があるように、とにかく一般の市民でポジティブな印象を持ってもらえる。ありがたさを実感した。

在シアトル日本国総領事館のウェブサイトによると、ワシントン州と兵庫県の姉妹州関係が今年で60年を迎える。節目の年としてはフェデラルウェイと青森県八戸市スクイムと兵庫県宍粟市が30年を迎えるという。

夏時間とともにやって来た春。そして桜の季節を迎えた。市民交流の記念として植樹された木々も当地には多い。時間があれば久々に「桜詣」をして、育まれてきた絆を再確認してみようと思う。