Home コラム 一石 課題と魅力〜一石

課題と魅力〜一石

By 佐々木 志峰

出張が続き、最近は当地で車をあまり運転していなかった。当然給油する機会も少なく(電気自動車に乗っているわけでもない)、ふと目に入ったガソリンの値段に驚いた。不穏な中東情勢も影響しているのだろうか。

AAA(全米自動車協会)によると、ワシントン州の平均レギュラーガソリン価格は、4月15日段階で4.667ドル。1カ月前から40セント近く上がり、1年前よりも同じく20セント近く高いという。キング郡では4.86ドルになる。

州比較ではカリフォルニア、ハワイに次いで3番目に高額だ。出張で訪れたオハイオ州では、シアトルとの物価の違いがふと話題に挙がったことを思い出す。平均ガソリン価格は3.406ドルだそうで、全米平均の3.634ドルよりも安い。

シアトル・タイムズ紙は地元調査会社の情報を元に、州民が最も深刻に捉えている問題について紹介していた。記事によると、「ホームレス/貧困」が最も高く、州全体で30%弱になった。続いては「生活費/物価高」で20%近くだった。

地域で分けるとキング郡在住者の40%以上が「ホームレス/貧困」を最重要課題とし、ワシントン州東部では「生活費/物価高」が一番高くなる。所得差や生活水準が違うだけで、「ホームレス・貧困」と「生活費・物価高」はお互いに関連しているような気もする。厳密にいえば、次に問題視されている治安にもつながるだろう。

そんな記事を見た週末にT―モバイル・パークへマリナーズには残念なシリーズ負け越しだったが、遠征で当地を訪れたシカゴ・カブスの日本選手2人はともに活躍を見せた。

今永昇太投手は13日の先発で今季2勝目。大リーグデビューから自責点ゼロを続けた。3試合の先発で12イニング以上を投げての自責点ゼロは、1913年以降で5人目の好記録だそうだ。鈴木誠也外野手もシアトルでの3試合全てで安打を放ち、13日は今永投手を援護する決勝本塁打を放った。

桜の季節はまだ続く。八重桜が近所できれいなピンク色の花を咲かせ、桜並木を横目に仕事場へ。球場から上空に広がる青空。この爽やかさはほかでは得られないもの。課題あれど、この地を離れたくない理由も多くある。