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「宝石物語」連載10周年  筆者にインタビュー

連載コラム「地球からの贈りもの~宝石物語」が、本号で10周年を迎えた。筆者の金子倫子さんは、シアトル在住後に日本へ帰国。現在は会社勤めをしながら、趣味として宝石に関連する執筆を続けている。

シアトルとの縁は?

高校生の頃の英会話の先生がワシントン大学の卒業生で、シアトル近郊は治安が良くて、宇和島屋があって日本のものも気軽に買えると教えてもらい、渡米するならシアトルへと決めました。

北米報知で執筆するようになったきっかけは?

北米報知で子育てについて連載していた方が休載することになり、その方から引き継がないかと声をかけていただき、それから連載を始めるようになりました。

なぜ、宝石に興味を持ちましたか?

光野 桃(みつの・もも)さんのエッセイで、「どんな時も外さない、体の一部のようなダイヤモンドピアス」の一編を読んで、「体の一部になるぐらいの宝石」という今までの概念を覆すような宝石のあり方に感銘を覚えたのがきっかけで興味を持つようになりました。

シアトル在住で子育てをしている際に、手に職をつけなければならない状況になりました。その時に読んだ雑誌に、宝石商の跡継ぎが「お客様に勧めるのに専門知識がないと恥ずかしい思い、どうせとるならGIA(Gemological Institute Of America)のGraduate Gemologistの資格を取ろうと思った」という記事があって、「それだ!」と思いました。そこから、私もGIAの資格を取得しました。結局、現在は宝石に関連する仕事はしていないのですが。

宝石への想いを教えてください。

自分の分身のようなジュエリーを一つで良いから所有して、愛でて欲しい。そんな日本人女性が増えて欲しいと思っています。そこに至るには、ジュエリーというより、女性がもっともっと声高に自分を主張するのが先なのかもしれません。男性からプレゼントされるジュエリーも素敵だけれど、周りが何と言おうと「私はこれが好き」と主張するようなジュエリーを選べる自立した女性が増えて欲しいです。

金子倫子 
80年代のアメリカに憧れを抱き、18歳で渡米。読んだエッセイに感銘を受け、宝石鑑定士の資格を取得。訳あって帰国し、現在は宝石(鉱物)の知識を生かし半導体や燃料電池などの翻訳・通訳を生業としている。

(聞き手:室橋美佐)

室橋美佐
北米報知社ゼネラル・マネジャー兼北米報知編集長。上智大学経済学部卒業後、ハイテク関連企業の国際マーケティング職を経て2005年からシアトル在住。2016年にワシントン大学都市計画修士を取得し、2017年から現職。シアトルの都市問題や日系・アジア系アメリカ人コミュニティーの話題を中心に執筆。