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全米日系人博物館がNVCホールで出張展示会

カリフォルニア州ロサンゼルス市にある全米日系人博物館が、11月24日と25日の2日間、NVCメモリアルホール(1212 S. King St., Seattle)で出張展示「争われた歴史:アレン・ヘンダーショット・イートン・コレクションの美術品・工芸品(Contested Histories: Art and Artifacts from the Allen Hendershott Eaton Collection)」 を開催する。

アレン・ヘンダーショット・イートン氏(1962年没)は、アメリカにおける工芸復興を担った歴史家として知られる。第二次世界大戦中に強制収容所で日系アメリカ人によって生み出された美術品・工芸品に関する書籍を1952年に刊行し、同書籍編成にあたり作品を数多く収集した。イートン氏の死後、彼の家族や友人によって保管されていた同コレクション。2015年に家族によりオークションに出品されることになったが、日系アメリカ人社会の反対運動により差し止められ、全米日系人博物館に収蔵されることになった。

その後も国立公園局の「日系アメリカ人強制収容関連史跡保存のための助成プログラム」の支援、ハリウッドで活躍するジョージ・タケイ氏やリチャード・サカイ氏などから個人献金があり同コレクションの保管・展示が実現。今年1月から4月に全米日系人博物館内ヒラサキ・ナショナル・リソースセンターで特別展示が開催され、現在全米各地を巡回している。

「巡回展示によって、全米各地の日系アメリカ人コミュニティーに同コレクションに触れる機会を提供することができた。また各作品についてのさらなる情報を各地で集め、この貴重なコレクションとその意義を次の世代に伝えていきたい」と、全米日系人博物館はプレスリリースを通して伝えた。

展示会では、400点以上のイートン・コレクションが、実物、複製、もしくはデジタルデータで展示される。コレクションには、彫刻、絵画、墨絵、宝石類、花瓶、ビーズ作品、名札など、強制収容所で日系人が作った作品に加え、戦争移住局(WRA)の職員が撮影した当時の写真なども含まれる。同博物館は、展示品の製作者や写真に写っている人物などについての情報提供を募っている。詳細は全米日系人博物館のウェブサイトからも閲覧できる。

(室橋美佐)

北米報知社ゼネラル・マネジャー兼北米報知編集長。上智大学経済学部卒業後、ハイテク関連企業の国際マーケティング職を経て2005年からシアトル在住。2016年にワシントン大学都市計画修士を取得し、2017年から現職。シアトルの都市問題や日系・アジア系アメリカ人コミュニティーの話題を中心に執筆。