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節目の2021年

節目の2021年 

2月初め、節分を迎えた。今年は立春の日が124年ぶりに2月2日と1日早まった。2月3日を「あたりまえ」として過ごしてきただけに、めずらしい思いで一日を迎えた。

 少し前に岩倉使節団派遣から150年を迎えることについて触れたことがある。もう一度、今年がどんな1年か、「節目」の年を迎える出来事、行事にどのようなものがあるか見てみた。姉妹都市関係を含め、当地日系社会内でも多くあるにちがいない。ちなみに本紙の創刊は1946年なので、75年となることも記しておきたい。

 日米が関わるものでは、第二次世界大戦の日米開戦から80年、サンフランシスコ平和条約から70年。沖縄返還協定の調印式からも50年となる。シアトルを絡めれば、イチロー氏のマリナーズでのデビューから20年となる。当地と日本の距離を一気に縮めるきっかけとなる大きな出来事に間違いない。そして、3月には決して忘れることのない東日本大震災から10年を迎える。

 事件、出来事などを見てみると、湾岸戦争開戦から30年、米同時多発テロから20年となる。いずれもまだ記憶に新しく、ニュース映像が眼に残る。また初の有人宇宙飛行からは60年になるという。政治がらみでいえば、米国の選挙権が一律18歳以上となってから50年となる。

 来週はPresidents’ Day(大統領の日)の祝日を迎える。今年はエイブラハム・リンカーン大統領就任から160年で、ジョン・F・ケネディ大統領が就任してから60年。印象的な政権誕生は毎4年、8年後にあるので振り返りやすい。

 政権交代については、現政権が前政権から大幅な政策変更に臨み、大統領令を次々に発表している。大統領令といえば、今年で80年となる日米開戦を受けた翌年に出された大統領令9066号があり、その後の日系人強制退去につながった。発令日は1942年2月19日。間もなくデイ・オブ・リメンブランスを迎える。

 何気なく振り返ったつもりだったが、忘れてはならない出来事が多々あることに気が付かされた。改めて原稿に向かう姿勢が正された。

         (佐々木 志峰)

佐々木志峰
オレゴン大学でジャーナリズムを学んだ後、2005年に北米報知入社。2010年から2017年にかけて北米報知編集長を務める。現在も北米報知へ「一石」執筆を続ける。