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第21回在米北米被爆者健診団 広島からシアトル訪問

文:岡田みなみ

在北米被爆者健診団による原爆被災者の健康診断が、7月22日と23日の2日間に渡ってシアトル市内のパシフィック・メディカル・センターで行われた。在北米被爆者健診団は1977年に広島県医師会を中心に設立され、2年ごとにハワイ、サンフランシスコ、シアトルなどを訪れて在米被爆者を健診している。第21回目になる今年は、サンフランシスコとシアトルを訪問した。パシフィック・メディカル・センターでの開催は9回目になる。

広島・長崎への原爆投下から72年が経った今、在米被爆者も高齢化している。同健診団代表の豊田秀三氏は「最近の訪問は、被爆者の健康に対する不安を取り除くことを健診の目的にしている」と話す。豊田氏によれば、シアトル周辺から検診にくる在米被爆者には「日本へ一時帰国している際に被爆した日系移民二世や、被爆後に結婚などを理由に渡米した人などがいる」という。今回の検診には、27人の被爆者と被爆二世が訪れた。毎年、カナダから国境を越えて訪れる被爆者もいるため「バンクーバーでの検診も現地の各方面に打診している」と豊田氏。健診団の派遣が広島県庁主催になる次回の開催からは、被爆者健康手帳保持者のみが無料検診の対象になる。

被爆者の多くは80歳を超えており、胎児被爆者も今年で72歳になる。豊田氏は「被爆者が高齢化して健診に訪れるのが困難になってくる。近所の医療機関での支援がより必要になるのではないか」と今後の課題を述べた。また、毎回の健康診断に集まるボランティアやパシフィック・メディカル・センターの関係者へ「健診団一同、感謝の気持ちでいっぱいだ」と伝えた。

関西学院大学文学部史学科3年生。IBP留学プログラムに参加し、ベルビュー・カレッジで1年間を過ごした後、日本帰国前に北米報知社で2か月間のインターンを行う。