41 回を迎えるシアトル桜祭・日本文化祭が4月22 日から24 日にかけてシアトル・センター内のアーモリー、フィッシャー・パビリオン、シアトルセンター・パビリオンで開催される。連日、午前10 時から午後6時まで。
地元日系関連の個人、団体や日本からのゲストによる展示プログラムや武道、舞台パフォーマンスを通じあらゆる角度から日本文化を紹介。1976年の米国建国200周年を祝う日本からの千本の桜寄贈と地元日系関連団体による式典「さくら祭り」を始まりとし、79 年以来シアトルセンターで行われている。
地元日系社会がコミュニティー外で自らの文化を一般市民へ発信する本格的な機会となり、シアトルセンターでは最初の民族行事として開催された。現在23 の祭りが通年で開かれる文化プログラム「フェスタル」の先駆けとなり、地元に広がる多様なマイノリティー文化の一端を一般社会へ向けて発信し続けている。
今年のテーマは「伝統・今」。日本で築かれた文化様式が、時代とともに変化しながら「伝統」として続いている背景と姿を探る。日本のみならず、1世紀以上にわたる日系社会の中で発展を遂げてきた伝統文化にも目を向ける。40 年を超えた桜祭りに長年、アート紹介として参加を続けてきた地元関係者に焦点もあて、当地で発展してきた日本文化、芸術の姿にも目を向ける。
今年の国際交流基金の海外巡回展「Yakishime and Japan (焼締め)」は世界初公開。やきもの制作においてもっとも原初的な方法とされる「焼締め」で作られた作品を通し、時代ごとに発展してきた伝統が紹介される。
毎年春の伝統行事として、地元の日本桜はかかわりが深い。第一回開催年に植樹された八重桜は会場となったスワード公園など市内各所で毎年美しい花を咲かせている。そのほかにも1929年の日米友好を記念した地元日系社会からの3500本の桜寄付、1960年の皇太子ご夫妻(当時)のシアトルご訪問、姉妹都市神戸からの神戸テラス公園への100本の桜寄贈など数多くの日本桜が当地の春を彩る。
シアトル日本庭園からシアトルセンターに移された天皇陛下の桜は弱化の懸念から倒木、接ぎ木され神戸ベルからフィッシャーパビリオン横に「新」天皇の桜として植樹されている。
近年は桜祭実行委員会らが桜の木を調査。「桜守(さくらもり)」として地元の桜維持に務める。定期的な植樹など、桜関連の行事も行われてきた。
桜祭り初日の金曜日は地元学校の課外授業の一環で多くの学生が足を運ぶ。長年にわたり続いている恒例行事だが、今年は日本文化を学ぶ地元学生たちが自らブースを開き、自ら参加者に日本文化を紹介する試みもあり、40 年を経て新たな「伝統」へのステージへ進んでいる。第33 回ワシントン州日本語スピーチ&スキットコンテストも同日に開かれる。 東日本大震災から5年目にあたり、被災地復興支援や啓蒙を兼ね、短編ドキュメンタリー集『113プロジェクト』もアーモリーロフト3で上映される。
同文化イベントは国際交流基金、在シアトル日本国総領事館、シアトルセンター、キング郡4カルチャー、シアトル市芸術文化センターが後援。詳しくはwww. cherryblossomfest.org まで。
(N・A・P)