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川澄2ゴール、レインFC復帰戦で 「勝てたことが一番うれしい」 ファンの期待に応え大活躍

衝撃の古巣復帰戦となった。日本のなでしこリーグINAC神戸レオネッサから全米女子サッカーリーグ(NWSL)のシアトル・レインFCに完全移籍した川澄奈穂美選手は2日、ホームのシアトルメモリアルスタジアムで行われたボストン・ブレーカーズ戦に先発フル出場、2ゴールを挙げる活躍を見せた。試合は2―0で勝利、川澄選手は当日の最優秀選手、リーグの週間最優秀選手に選ばれた。

チームが川澄選手の復帰を大々的にPRしていたこともあり、試合前の選手挨拶で名前が呼ばれると、来場した4356人のファンは大きな歓声をあげ歓迎。川澄選手も試合でのパフォーマンスで期待に応えた。

初得点は前半15分だった。右サイドでパスを受けると、攻め上がってきた14番のマノー・メリス選手へ縦パス、ゴール前に進出して相手選手に当たりながら送られてきたクロスに合わせて先制点を決めた。

「キーパーと相手ディフェンダーもいて打ってもなかなか難しいかなと思ったんですけど、あそこの場面ではやっぱりしっかり足を振ろうと思って、思い切って振りました」と川澄選手は振り返る。「時間も時間だったし、もちろん得点もほしかったので、少し欲を出して足を振りました」

川澄選手の動きでチーム全体も活性化。直前の2試合は引き分けで、攻撃が課題のレインFCだったが、川澄選手がチームの起爆剤になった。後半17分にはゴールの右前でパスを受け、相手守備をかわしながら中に切り込み、左足で2点目を決めた。

「このチームだったらあそこにボールが来ると思って、ポジションを取りました。やはりすごく良いパスをくれる。相手が引いてるという感じはあったので思い切って足を振りました」

シアトル入りは試合3日前だったが、コンディショへの不安を一掃する活躍。「この試合にしっかりコンディションを合わせて90分出るつもりで準備していました。思った以上に当日のコンディションは良くて、いい準備をしてきたのが結びついてよかったです」と笑顔を見せた。

川澄選手はゴールよりも勝利への貢献に安堵を見せる。「ドローゲームが2試合続いている中でチームに入ったので、絶対に勝ちたいと思いました。2ゴールを決めたことはもちろん嬉しいですが、チームが勝てたことが一番嬉しいです」

選手の多くが2014年シーズンの同僚でチームとの相性も良さそうだ。「サッカーは一人一人がうまいのもすごく大事ですけど、それがどう関わってパワーを発揮するのかがすごく大事。その意味では、自分の良さを出してくれる選手ばかりなのでやっていて楽しいですね」

ローラ・ハーヴィー監督は試合後、「彼女はすべての選手のベストを引き出しました。ゴールも素晴らしいのはもちろん、それ以上に他のメンバーに大きな影響を与えてくれました」と語り、川澄選手の復帰を喜んだ。

勝利を受けてレインFCはリーグ5位に浮上。リーグ上位チームとの大戦を見据え、プレーオフに出場を目指し巻き返しを図る。

川澄選手同様に新加入となる宇津木瑠美選手も近々合流する予定。同選手は、今月に行われる日本代表なでしこジャパンのスウェーデン遠征チームに選ばれている。

当日の試合は、シアトル・ストームの渡嘉敷来夢選手も観戦。今後、日本女子スポーツ選手の活躍が当地で注目されそうだ。

(竹田 優香)

北米報知は、ワシントン州シアトルで英語及び日本語で地元シアトルの時事ニュースや日系コミュニティーの話題を発信する新聞。1902年に創刊した「北米時事 (North American Times)」を前身とし、第二次世界大戦後に強制収容から引き上げた日系アメリカ人によって「北米報知(North American Post)」として再刊された。現存する邦字新聞として北米最古の歴史を誇る。1950年以前の記事は、ワシントン大学と北米報知財団との共同プロジェクトからデジタル化され、デジタル・アーカイブとして閲覧が可能(https://content.lib.washington.edu/nikkeiweb/index.html)。