By 佐々木志峰
シアトル・タイムズ紙は、2年前約50年ぶりに減少したキング郡の人口が、昨年で再び増加に向かったと報じた。米国勢調査局の数値によれば、人口は227万人弱で、全米主要郡の人口上位15に入る。6番目の伸び率で1万3千751人増。カリフォルニア、イリノイ、ニューヨークの大都市圏の各郡で減少があったことを踏まえると、まだ成長の余地が見られるようだ。
限界まで成長を遂げた街をつくり直す難しさ。最近、大都市圏のひとつで車を運転しながら感じたことでもあった。まだ成長を続けている当地だけに、早く肝となる公共交通を整えたい。先日シータック空港を南に走ると、明らかにこれまでと景観が変わった。ライトレールの南路線で着実に延線建設が進み、さらに空港を挟む形でシアトル方面へもう一本フリーウェイを通す工事が進行している。将来的に渋滞緩和につながり、人口動向にも影響をもたらすかもしれない。
ワシントン州は約4万5千人増で、21年の0・2%の人口増よりも少し高く0・6%増と伸びた。人口は780万人近くになるという。
気が付けば5月。1年の3分の1をあっという間に終えたことになる。シアトル・センターではシアトル桜祭・日本文化祭も無事開催され、春のコミュニティー行事もほぼひと段落。今月はアジア・太平洋諸島系米国人のヘリテージ月間を迎えている。
地元テレビ局のKING5の記事を見て驚いた。今年のシアトルは1月から4月の降雨量が11・87インチだったそうで、この期間の平均を5・02インチ下回るという。2008年以来で最も少なく、この35年で4番目の少なさだったという。
冬の時期に乾いたことが影響しているようだ。4月は例年よりも0・68インチ多く、3・86インチの降雨量があったそうだ。州外にいることが多かった先月は、当地で天気に泣かされる日が多かった記憶が強い。一気に気温が上がった先月末も州外。戻れば冷え込んだ鉛色の空。それでも帰ってくると、我が街ノースウエスト。土の匂いがうれしいのだ。