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気が付けば

日本は敬老の日と秋分の日の祝日が重なり、4連休のシルバーウィークを迎えた。遠出外出が増えたようで、高速道路などで大渋滞があったとの連絡を受けた。例年と変わらない賑わいを見せていたようだ。

早いもので9月の終わりに近づいている。自宅から仕事場に向かう景色もすっかり秋模様に様変わりしていることに気が付いた。いろいろと慌ただしく、いつも以上に夏らしく過ごす余裕がなかったように感じる。

食料品などの店に入れば、ハロウィーンの関連商品が入り口に置かれ、秋の到来を告げている。地元メディアでは今秋から冬の行事に関して、米国疾病対策センター(CDC)で発表されたガイダンスを紹介している。

記事によると、コミュニティー外でのハロウィーン関連のイベントや催しへの参加を高リスクに指定。密集を避け、キーワードは一方通行。「Trick or Treat 」もソーシャルディスタンシングを守って、一方通行に並んでお菓子袋をもらうよう勧めている。

感謝祭は家族のみの少人数で集まることでリスク軽減できるとし、「混雑」した店に向かうブラックフライデーの外出は避け、オンラインでのショッピングを推奨した。いずれも例年通りの形で伝統行事を迎えることができない1年となりそうだ。

地元マリナーズもレギュラーシーズンを終えようとしている。7月段階では先の見えない3カ月間を何とか無事に走り切りたい思いだったにちがいない。原稿を書いている22日現在で、本拠地Tモバイルパークは大きな事故もなく乗り切ることができそうだ。

だが気が付けば、自分自身に気の緩みが出ているようだ。新型コロナウイルスに関するニュースにも目が向かなくなってきた。同業者とも同様のことを口にした。マスク着用はいつも変わらない。それでも数カ月間、入り口のセキュリティーとも顔見知りになり、当初の厳格さは失われている。

新型コロナウイルスの死者数は米国で20万人に達した。欧州では感染者が急増し、第2波が及んでいる。これから始まる風邪の季節。気が付けば、ということがないように今一度、自らの気を引き締めたい。

(佐々木 志峰)

オレゴン大学でジャーナリズムを学んだ後、2005年に北米報知入社。2010年から2017年にかけて北米報知編集長を務める。現在も北米報知へ「一石」執筆を続ける。