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訪日人気〜一石

By 佐々木 志峰

出張で米国を訪れた知人が、日本で観光客が増えていると話していたのを思い出した。日本政府の観光局によると、今年6月までの上半期で国外からの旅行者数が1000万人を超えたという。6月は新型コロナウイルスのパンデミック以降で初めてとなる訪問者数200万人を突破。年間で3000万人以上となった2019年の約288万人には及ばないが、年間でも2000万人を超えるペースにある。「観光立国」の姿が蘇りつつある。

今年6月の日本国外からの旅行者数を見ると、最も多いのが韓国。台湾が続く。米国、カナダ、オーストラリアといった国からは、19年のピーク時よりも増加した。米国は中国を約2万人上回り、22万人を超えた。東アジアからの訪日数も増加している。中国は19年と比較して約67万減だった。

米国は上半期の総数でもシンガポール、メキシコ、中東地域と並んで19年を上回る。筆者が出張で移動している機内でも、日本への旅行を予定する乗客の話を何度か耳にした。円安環境が圧倒的に魅力となっていることは理解できる。

彼らの消費動向に関する調査結果は国土交通省の観光庁から出ている。消費額は4月から6月の4半期で1兆2052億円になり、19年同期の95・1%にあたるそうだ。支出構成では宿泊への比率が上がり、飲食、交通、娯楽・サービスも増えた。一方で買物への支出は減少しているという。

国・地域別で見ると興味深い。ひとりあたりの旅行支出は推計20万5千円だそうで、英国が36万円弱と最も多く、中国、オーストラリアも33万円を超える。もちろん滞在日数が支出額に影響することになるが、隣国の韓国は支出額で平均9万5千円弱と手軽な日本訪問を可能にしているようだ。米国は約29万円。宿泊、交通費で英国、飲食でフランス、娯楽・サービスはオーストラリア、買物は中国が最も高い。

日本同様、当地も観光業は好調の模様。夏の観光シーズン真っ盛りでホテルも高額と聞く。空港ではこれからシアトル−アラスカ間のクルーズに向かうのか、家族全員で休暇用のオリジナルTシャツを着用して歩く観光客の姿もあった。旅行熱はまだまだ冷める気配がなさそうだ。