By 佐々木 志峰
まだ早朝の肌寒さが残る当地。すでに夏入りして日中は華氏80度を超え、蒸し暑さも加わる他州に行くと体にこたえる。 今年は行く先々で雨や荒れ模様の天気に見舞われることも少なくない。移動の遅延や上空での揺れが疲れに拍車をかける。そんな道中、雲の合間に広がる広大な大地に目をやる。どこにでも切り開いていけるだけの土地があるのだと、感じさせられる瞬間だ。
最近出張で向かったある州の小都市。この街に来るのは確か3度目だろうか。小さな空港は内部の改装が進み、以前より明るくなったようだった。渋滞に巻き込まれることはなかったが、車の交通量は増えていると感じた。たまたま遭遇した給油先での長い列にも驚いた。
ワシントン州でも似た動きがあるようだ。実際、郊外に広がりを見せる新たな住宅地、「ニュータウン」ができあがっていく。シアトル・タイムズ紙によると、中部リッチランド、東部スポケーン、北部べリンハムなどといった地域は人口の伸び率でシアトル、タコマ、ベルビューの「大都市圏」を上回ったという。住宅コストは大きな要因のようだが、新型コロナウイルスのパンデミックによる生活の変化も大きいだろう。リモートワークも増え、スタイルに合わせた居住の選択肢は確実に広がった。
一方でAP通信によると、米国は昨年、異常な暑さが2日以上続く猛暑が1936年以降で最も多かった。米海洋大気庁 (NOAA)によると、米南部、南西部がひどいようで、付随して発生するものとしてノースウエストでの寒波や天候不順が挙がっている。
NOAAとスクリップス海洋研究所の調査では、地球の大気で二酸化炭素濃度が観測を始めて以来最速のペースで増加したという。気温上昇や止むことのない災害が各地で発生し続ける中で、化石燃料の使用削減に向け迅速な行動を取るよう警告が発信されている。
6月5日は地球の未来のため、環境問題の解決や保護の意識を高める「世界環境デー」だった。経済、社会が環境とともにバランスよく発展できるように、自分自身の生活のあり方も冷静に見つめたい。