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日系農家の生活伝える 風呂場施設修復完了

オーバン市の日系農家が建設、利用した現存風呂場施設の修復工事が完了、6月25日に完成式典とともに市民に一般公開された。同市の歴史施設ニーリー・マンション敷地内で1929年にホリ一家が建設したもので、当時の日系農家の生活を伝える貴重な展示物となる。

風呂場施設は10㌳x16㌳の大きさで、入り口部分の洗濯所と奥のトイレ、風呂場の2部屋からなる。関連施設のサイズとしては大きいという。内装は家族関係者の証言をもとに再現した。

居住所となるニーリー・マンションには下水が整備されておらず、風呂、洗濯、トイといった施設が庭に建設された。ホリ一家は毎晩、風呂を火で焚き、家族で一日の疲れをいやす憩いの場となった。修復プロジェクトの委員会に携わったフランク・ホリさん(89)は、「よく作られています。自分の記憶と形は同じ」と語る。

25日の式典はニーリー・マンション保存協会関係者が同施設の歴史を紹介。白河本願寺仏教会の小杭好臣住職が祈祷した。和太鼓や民謡踊りなど日本文化も紹介された。ニーリー・マンションは1894年に建設、1915年から36年にかけては、フクダ家、ホリ家がそれぞれ居住。酪農や農業を営んだ。現在は歴史的建造物として同保存協会が運営。夏の土曜日は資料館として一般開放され、別日もアポイントメントで入館可能。詳しくはwww.neelymansion.orgまで。

(記事・写真=佐々木志峰)

佐々木志峰
オレゴン大学でジャーナリズムを学んだ後、2005年に北米報知入社。2010年から2017年にかけて北米報知編集長を務める。現在も北米報知へ「一石」執筆を続ける。