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書籍から漫画、日系紹介

毎年、日本で開かれている海外日系人の集い「海外日系人大会」に関する過去数年の大会記事を目にする機会があった。同大会は今年で58回目、開催日は10月22日から24日に開かれる。例年、シアトルからの参加者は、節目の年を除けば多くない。筆者が参加した時も同様だったが、参加経験者は一同その意義の大きさを語っている。予算と時間が合えば、ぜひ参加を勧めたい。

主催団体の海外日系人協会のウェブサイトを見てみると、その発足が漫画で紹介されていた。「わかりやすく」と書いてある。近年の日系人の移民史を紹介する際も、文字だけの文献、書籍からドキュメンタリー映像、そして漫画やグラフィックノベルへと多様化している。

漫画といえば、知人から譲り受けた『二世部隊物語』という第442連隊戦闘団を描いたフィクション・アクション漫画があった。調べると1960年代に描かれ始めたとある。数年前にはカナダ・バンクーバーの日系野球チーム「朝日軍」を描いた『バンクーバーの朝日』が人気を呼び、映画化されたこともあった。

映像では当地を舞台とした『99年の愛~ジャパニーズ・アメリカンズ~』も記憶に新しい。最近は二世復員軍人会(NVC)財団やウイングルーク博物館のプロジェクトが進めるグラフィック・ノベルが出版されており、ハワイでは近年流行しているかわいいキャラクターを使った日系人部隊の戦いを描いた漫画も作られた。

日系移民に関する書籍は、ジャーナリストの川井龍介さんによる紹介、考察記事がディスカバーニッケイに掲載され、本紙でも随時転載されている。トピックは多様だ。収容所体験を異なる視点で捉えていたり、初期日系移民の「密航」をテーマとしたものも興味深い。2016年に出版された日系三世を主人公とし、日系の足跡やアイデンティティーを描いた『カブールの園』は、芥川賞候補にもなり、第30回三島由紀夫賞を受賞したという。

地元舞台のものでは、『あの日パナマホテルで』、『日々の光』、『新訳 ノーノー・ボーイ』などが、最近の定番といえるだろう。ゆかりの場所、舞台となる建物などを照らし合わせながら読むのも面白い。

(佐々木 志峰)