天候不順の珍しい3月だが、例年通り野球の季節を迎えている。シアトル・マリナーズは、アリゾナで春季キャンプに臨み、4月の開幕に向けて準備を続けている。
地元日系社会関係者は、今年度のマリナーズジャパンナイトの協議を球団と続けており、このたび4月18日の開催が決定した。対戦相手はフロリダ・マーリンズで、イチロー外野手や田澤純一投手が所属する。
今年は1階席に統一、チケットは35㌦だが、各5㌦が地元日系団体の連合組織へ寄付される。今年は例年に比べ決定が早く、驚かされた。
日本を含め、韓国、米国では第4回を迎えるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が始まった。強豪韓国の一次ラウンド敗退もあり、波乱含みの中、日本は8日現在、初戦キューバ、第2戦中国に連勝している。
さて同大会、米国ではほとんど話を聞かない。車中で聞くラジオの中でもマリナーズの情報はあれど、WBCのニュースは流れてこない。米国の試合がまだ始まっていないこともあるが、第一回大会から続く関心の低さは相変わらずのようだ。
WBCでの日本は2006年の第一回、09年の第二回で連覇、13年の第三回は準決勝で敗退した。本紙は06年開催の第一回で本紙コラムニストが大会取材するなど、現地の盛り上がりを伝えることができた。09年時には、当時マリナーズのイチロー外野手の殊勲打もあった。連覇を祝う日本の盛り上がりは相当のものだっただろう。
今年も過去の大会のような活躍が期待される。日本での試合結果を見る限り、観客動員は良いようだ。WBCの運営側は、大会が「野球の国際化、人気拡大のため」必要とし、開催継続の方針を明らかにしている。
今回は、初出場となるイスラエルが活躍を見せ、大会を盛り上げそうだ。選手のほとんどが米国出身で米国市民という。家族の1人が出場国の出身、市民であれば出場資格を得る独特の大会規定が要因だ。
それでも自分が持つ「ルーツ」の国を代表し、その国に競技を広めるべく全力を尽くす意義は大きい。グローバル社会の中で、そのような日系選手の姿を見る機会も増えるだろう。
(佐々木 志峰)