文:島 涼介
ドニー・チン氏の追悼式が23日にインターナショナル・ディストリクトにあるカントン・アレーにて行われた。遺族、友人、そしてチン氏を称える多くの人々が参列し、インターナショナル・ディストリクト救急センターを立ち上げてコミュニティーの治安維持に人生を捧げたチン氏の冥福を祈った。参列者は150人を超え、「Justice for Donnie (ドニーのための正義)」と書かれたバッジを襟に付けた前シアトル市長のマイク・マギンの姿も見られた。シアトル市の消防士や警察官も参列した。仮設されたチン氏の祭壇には何百もの折り紙の鶴が写真とともに飾られ、チン氏を思い返して涙する人々の姿も多くみられた。チン氏の親友であり、共にインターナショナル・ディストリクト救急センターを設立したディーン・ウォング氏は、「時は心の傷を癒すというが、いまだに私の心は癒されていない」と、チン氏の死から2年経った今でも悲しみの消えない胸の内を明かした。
チン氏の姉であるコニー・チン氏は、一族が1911年からインターナショナル・ディストリクトで経営してきた雑貨店「サン・メイ(Sun May Co.)」が地域と深く結びついてきたことを語り、カントン・アレーに移設されているサン・メイの店舗を週末もオープンしてチン氏を追悼する人々が訪れることができる場所を設けるとした。
チン氏は、2015年、救急センター活動中に地区内のギャング銃撃戦に巻き込まれて射殺された。遺族や友人らは市警察に事件の真相解明を強く求めているが、事件から2年経った今でも未解決だ。