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東北から関係者参加 トモダチプログラム シアトルで学ぶ農業の先進技術

東北地方の農林水産関係者ら10人が16日から29日まで、シアトルの食と農について学ぶため当地を訪問している。非営利団体 iLEAP が主催する TOMODACHI FIRST プログラムの一環で、参加者はスカージットバレーの農場やユース・ホームレスに農業経験を与えるシアトルユースガーデンワークスなどを訪問、リーダーシップや農林水産の先進技術を学ぶ予定だ。

同プログラムは東日本大震災後、東北地方の農林水産業を率いる若者を育成するため、米国政府などが主導となって発足した。今回が2回目で、これまでに21人の若者が参加した。

プログラム参加者の加藤千晶さんは、現在陸前高田で醤油生産を行う八木澤商店で商品開発に携わっている。東日本大震災の1年前に八木澤商店に就職したが、会社の工場は震災津波の被害を受け閉鎖、従業員の半数が避難を余儀なくされた。その後会社は陸前高田市の隣に位置する一関市で、廃校になった小学校に工場を建てるなど再建をスタート、現在は醸造業を再開している。加藤さんは、「何もないところからスタートしなければならなかったので、最初はボランティアとして会社の再建に携わりました」と当時の苦労を振り返る。

21日に市内ユニバーシティ・ディストリクトのファーマーズマーケットを訪問。シアトルの印象について加藤さんは、「オーガニックへの意識の高さに驚いた。日本だと価格が高く、都市の富裕層が消費の中心となりがち。地産地消が根付き、地域で有機農業を支えている点を見習いたい」と語った。

(記事・写真 = 遠藤 美波)

北米報知は、ワシントン州シアトルで英語及び日本語で地元シアトルの時事ニュースや日系コミュニティーの話題を発信する新聞。1902年に創刊した「北米時事 (North American Times)」を前身とし、第二次世界大戦後に強制収容から引き上げた日系アメリカ人によって「北米報知(North American Post)」として再刊された。現存する邦字新聞として北米最古の歴史を誇る。1950年以前の記事は、ワシントン大学と北米報知財団との共同プロジェクトからデジタル化され、デジタル・アーカイブとして閲覧が可能(https://content.lib.washington.edu/nikkeiweb/index.html)。