シアトル市議会が2日、市内SODO地区で計画されていた一大イベント施設の建設を否決。この中で男性市議、女性市議によって票が分かれたことで、一部市民から出された性差別表現に対し、関係者が懸念を表している。
シアトル市議会は男性議員4人、女性議員5人で構成され、当日の投票では男性議員が賛成、女性議員が反対に投じ4対5で否決された。これを受けて、特定議員へ向けた、個人的、性差別的な表現を使った言及がソーシャルメディアなどで発信された。
人権団体「日系市民協会(JACL)シアトル支部」は3日、「女性に対する過剰なヘイトスピーチを強く非難する」との声明を発表。政策において感情的な部分があったとしても、シアトルや米国が理解を示してきた女性への尊厳を汚す状況に大きな懸念を示した。
米国ではノースカロライナ州やミシシッピ州で成立した反LGBT法に関する論議も起きており、同法成立後にシアトル市では職員の同州出張を禁じるなど、性と人権に対する姿勢を表明。性に関する議論が噴出しやすい状況にあるともいえる。
同施設は男子バスケットボールNBAチームのシアトル招致を目指す投資家が計画、男子アイスホッケーNHLチームの同時招致が条件とされてきた。市議会での否決後、エド・マレー市長は「引き続き、SODOアリーナ建設の可能性について探っていきたい」と述べている。
(N・A・P)