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シアトル公共交通の変革 ライトレールUリンク開通 ダウンタウンとワ大を8分

交通機関サウンドトランジットは19 日、ワシントン大学とシアトル・ダウンタウンを結ぶユニバーシティ・リンク線の運行を開始した。シータック国際空港からダウンタウンのウエストレイクを運行していたライトレールに、キャピトルヒル、ワシントン大学の2駅がつながり、シアトルの交通、住宅に変化をもたらすことが期待されている。ウエストレイクからワシントン大学の所用時間は8分。

18 日にはワシントン大学駅に隣接するハスキースタジアムで開通式典が開かれ、連邦運輸省のアンソニー・フォックス長官、パティー・マレー連邦上議、ジム・マクダーモット連邦下議、ジェイ・インスリー州知事、ダウ・コンスタンティン郡長官、エド・マレー市長らが出席した。

フォックス長官は、「今回の開通によってシアトルの人々がより良い仕事や教育にアクセスできるようになることを期待したい」と開通を祝福。マクダーモット下議は1960 年代のI ― 5 フリーウェイ建設時から公共交通システムに関する議題があり、ピュージェット湾各所で交通網改革が議題に立ち上がった90 年代など、幾多の課題を乗り越えてきたことを振り返る。今後も北はエベレット、南はタコマへと交通網がつながることを希望した。

ダウンタウンからワシントン大学に延長されたライトレール

エド・マレー市長は今後も予測される人口増も見込み、公共交通システム改革が街の交通対策に直結すると強調。ライトレール沿線のみならず、ウエストシアトルやバラードといった地域でも公共交通の整備を図る意向だ。

キャピトルヒル駅はシアトルセントラル・カレッジの北側とジョン・ストリートを中心に入り口ができ、時期を同じくして運行を始めているストリートカーもつながる見込み。ワシントン大学駅は大学南東部に位置。学生街の中心となるユニバーシティ・ディストリクト駅の開通はまだ先だが、今後ライトレールの利用価値がより高まりそうだ。

2つの新駅はそれぞれ地下に設置され、ホームまでエスカレーターで深く下りる。各駅区間は約4分。片道運賃は区間に伴い2・25 ㌦から3㌦。ワ大とダウンタウンやキャピトルヒルを結ぶ主要公共交通となってきたメトロバスも26 日に運航スケジュールを改定する。

ライトレールは今年中にシータック国際空港から2 0 0 番ストリートへの南路線の1 駅延長が予定されている。サウンドトランジットによると、北路線は21 年までにユニバーシティ・ディストリクト、ルーズベルト、ノースゲート駅が開通し、将来的にはショアライン、リンウッドへと延長される見込み。南路線も2023年までにデモインやハイライン・カレッジ地区まで拡張される。イーストサイドは2023年にベルビュー方面まで延線される。

(記事・写真 = 遠藤 美波)

北米報知は、ワシントン州シアトルで英語及び日本語で地元シアトルの時事ニュースや日系コミュニティーの話題を発信する新聞。1902年に創刊した「北米時事 (North American Times)」を前身とし、第二次世界大戦後に強制収容から引き上げた日系アメリカ人によって「北米報知(North American Post)」として再刊された。現存する邦字新聞として北米最古の歴史を誇る。1950年以前の記事は、ワシントン大学と北米報知財団との共同プロジェクトからデジタル化され、デジタル・アーカイブとして閲覧が可能(https://content.lib.washington.edu/nikkeiweb/index.html)。