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如月会が45周年

如月会が、今年45周年を迎えた。同会は、1976年2月に米国軍人や軍関係者と結婚して戦後に米国移住した婦人らが集まって発足した。『アメリカ春秋八十年(伊藤和男、1982年)』によれば、結成発表会は山内昭子(やまのうち あきこ)さんを初代会長として武士ガーデンで行われた。「年末年始に行われている各県人会のパーティーに刺激されて、まず関東出身者だけでもと、(山内さんが)東京・深川出身の山崎冨士江(ふじえ)さんと連絡をとったのが始まりで、全国各地出身の四十九人が参集した」「第1回の集いが二月であり、毎年二月に総会を開催することとし『如月会』とした」と同書に記述されている。

当時の日系人の各種団体が親睦を主な目的にしていたのに比べて『如月会』は積極的に日本文化の普及を掲げたのが新しく、戦前からシアトルで根づいていた日系アメリカ人コミュニティーにも次第に評価されるようになっていった。桜祭りや秋祭りなどの日系イベントで日本舞踊、琴、三味線、生け花、詩吟などの日本文化を披露するほか、同じく1976年に創立されたシアトル敬老を毎年の父の日に訪問するなど、シアトルの日系社会へ奉仕活動を続けてきた。

米国軍人と結婚して渡米した日本人女性の婦人会としては、1986年にタコマで発足した「たんぽぽの会」、海軍基地のあるオーク・ハーバーで1996年に発足した「しゃくなげ日本婦人会」などがあったが、どちらも会員の高齢化などを理由に閉会をしている。戦争の記憶がまだ色濃く残る時代に家族の反対や周囲からの偏見を乗り越えての国際結婚でアメリカへ渡った女性たちは、戦後の日系移民第一波となり、シアトル日系コミュニティーの活性化に長年に渡って貢献してきた。如月会の活動が、これからも末永く続くことが期待される。

(室橋 美佐)

如月会会長 関根楢千代(ならちよ)さん挨拶

「如月会が10月10日に、ワシントン州日本文化会館(JCCCW)で45周年の祝賀会を行いました。現在は、殆どの会員が90歳に近い年齢です。足の弱い方や運転できない方が多数いるなか、全員でこのお祝いを迎えることができました。あまり外出できない状況が続いたなかで、久しぶりの再会を喜び合い、楽しい集まりになりました。『これなら50周年まで頑張れるかも?』と思います。

如月会の会員は、誰もが日本から来てこの土地に親戚や家族がいない女性たちです。困っている時や病気の時など、お互いに助け合い慰めあって友情を大切にする会でもあります。多くの会員が高齢化するなかで、運転をしない方、歩くのが不自由な方が多くなり、昔のように日系社会の行事に参加できなくなりました。現在、会員は32名です。会員の皆様の希望により同会を続けて、2、3か月に一度の例会を行いたいと思っております」

北米報知社ゼネラル・マネジャー兼北米報知編集長。上智大学経済学部卒業後、ハイテク関連企業の国際マーケティング職を経て2005年からシアトル在住。2016年にワシントン大学都市計画修士を取得し、2017年から現職。シアトルの都市問題や日系・アジア系アメリカ人コミュニティーの話題を中心に執筆。