Home コラム 一石 2025年へ〜一石

2025年へ〜一石

By 佐々木 志峰

2025年を迎えようとしている。巳年へびどし。脱皮をする蛇のイメージから、「変化」や「再生」の意味合いがあるといわれる。21世紀では四半世紀最後の年。大統領選挙で米国は政権が変わるが、世界を含めてどのような一年となっていくだろうか。

周年ものを見てみると、日本では多数の企業が節目を迎え、2000社が100周年を迎えるといったものも目にした。さまざまなところで記念行事やイベントが企画されることだろう。日本相撲協会は設立100年になり、日本で初めてマヨネーズを製造・販売した「キューピーマヨネーズ」も100周年を祝う。

日米関係の側面で忘れてはいけないのが、第二次世界大戦を終えてから80年となることだ。シアトルの姉妹都市神戸を襲った阪神淡路大震災からは30年。当地を拠点とする企業として、マイクロソフト社が創業50年となるようだ。

個人的に感慨深いものとしては、黒人の公民権を広く認める公民権投票法(Civil Right Act)の成立から60年になるということを知った。今秋半ばにメンフィスへ出張の機会があり、キング牧師の暗殺現場でもある公民権博物館に足を運んだばかりだった。また第二次世界大戦同様、泥沼化する戦争、紛争に区切りがついたものとして、ベトナム戦争のサイゴン陥落から50年になる。

さてあっという間だった2024年。日本では漢字能力検定協会が募集し、選ばれた「今年の漢字」は「金」だった。毎年恒例、30回目となる企画で「金」が選ばれたのは2000年、12年、16年、20年に続き5回目となる。

五輪、パラリンピック、大谷翔平選手といったスポーツ関連、そして新紙幣の20年ぶりの発行といった話題に加え、物価高や闇バイト、衆議院選挙でも注目された政治とカネといった問題まで。明暗を示した一文字といえるだろうか。世界情勢を示すとされる「金価格」の高騰といったものもあるだろう。

過去の執筆を振り返ってみると、昨年は最後の一文で「平和や幸せを思い起こす一文字で表せる一年であってほしい」と新年を祈願していた。2025年こそ、そうした一文字で締めたい。