By 佐々木 志峰
昨年末に隣人とギフト交換をした。受け取ったのは日本メーカーのお菓子。またある知人宅が柴犬を飼い始めたと聞くと、その名前はかねてより熱望してきた「ハチ」だという。料理の情報を見てみれば、「WAGYU」なる言葉が目に入り続ける。
訪日外客数、いわゆる日本におけるインバウンドの人数は史上最高に達したそうだ。日本の観光庁によると、昨年12月の段階では2024年11月までの推計値となるが、11カ月の総数で3,337万9,900人となり、過去最多だった2019年の3,188万2,049人をすでに上回った。
11月だけでも2019年同月から3割以上増え、318万7千人。1カ月あたりで300万人超えはすでに7度目。紅葉のある秋の旅行シーズンも大盛況で、10月は331万2千人を記録した。19年との比較で見ると、中国など数字を落としている国もあるが、韓国、米国、オーストラリアといった大半の国々からの訪日数を大幅に増やしている。東南アジアからの観光客も多い。2023年と比較しても、あらゆる国、地域で大きな伸びを示している。
観光庁が出す7月から9月にかけてのインバウンド消費動向調査の資料(2024年版 www.mlit.go.jp/kankocho/content/001853632.pdf)によると、欧米諸国からは初の訪日者が大きな割合を占める。米国は63%だった。訪日の目的はインドのように「業務」が大きな割合を占める国もあるが、大半は「観光・レジャー」。米国は71・7%がそうだった。
「観光・レジャー」で訪日した場合の平均泊数は7泊になるそうだ。ドイツの平均16・1泊、フランスの平均14・3泊など欧州からの訪問者は滞在が長い傾向がある。米国は平均10・7泊で半数あまりが1週間から13日の滞在日数という。
11月のインバウンド数で米国は同国の11月あたりで過去最多の24万7500人を記録した。総数でも19年からすでに90万人以上、昨年から62万人以上増やしている。空前の旅行ブームに加え、為替事情、そして太平洋を挟むだけで直行便の本数も多い。何より日本が発信する魅力はほかにないものだとはっきり感じ取れる。