By 佐々木 志峰
4年に1度のスポーツの祭典、夏季五輪大会が始まった。7月26日の開会式から8月11日まで、凝縮の2週間。インターネットでは、休むことなく情報が更新され続ける。7月30日段階で日本はメダル獲得数で上位。特に有力競技のあった序盤戦では金メダルの数で他国をリードした。
今回は新型コロナウイルスの感染拡大もあって1年延期となった東京五輪から、3年を経ての開催となる。冬季五輪もその間にあったので、筆者の感覚としては「もうやってきたのか」――。ただもちろん選手たちは違う。言葉にならない努力を重ね、それを支えるチームも一丸となり、進化する競技や対戦する相手への対策を行っている。金メダルの有力選手が敗退するところを目にすれば、頂点を目指す道のりがいかに厳しいものであるか見て取れる。
「ルーツ」は今大会もストーリーの一つとなっている。女子柔道ではカナダ代表として長野県出身の出口姉妹が出場。姉のクリスタ選手が57キロ級で金メダルを獲得した。決勝の相手は東京出身で在日コリアンの許 海実選手。女子ゴルフからは、東京五輪でフィリピン代表だった笹生優花 選手が、その後に国籍を選択した日本代表として今大会は出場する。
ワシントン州にゆかりのある五輪出場者も多い。シアトル・タイムズ紙の記事では63人が同州とつながりがあるそうで、早速金メダル獲得に貢献した選手もいる。男子バスケットボールで日本代表のジョシュ・ホーキンソン選手はショアラインで育った。地元テレビ局KING5によると、大学卒業後に日本でプレーを続け、2023年に日本国籍を取得した。ほかにも、女子バスケットボールWNBAのストームや女子サッカーNWSLのレインFCといった地元チームからも各国の代表選手が選ばれている。
32競技で合わせて329種目。各競技を支える審判ら関係者にとってもこの上ない大きな晴れ舞台。参加選手だけでも1万人を超えるという。存分に世界一の競技を楽しませてもらっている。