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日系団体と女性

地元日系社会の新年行事もいよいよ佳境を迎えている。在シアトル日本国総領事館、シアトル日系人会やワ州日本文化市民会館、シアトル日本商工会といった、「まとめ役」に近い主要団体の新年会は早々に終え、県人会、各ソーシャル団体へと主役が移る時期となっている。県人会、婦人団体の親睦会は引き続き、3月末までの恒例行事となる。間には仏教会関連のファンド行事なども入り、関係者にとっては休みのない週末が続きそうだ。4月に入ればシアトル桜祭・日本文化祭となる。

本紙、筆者も関連新年会からの招待を受けており、日程に合わせて、他記者と出席を調整している。

先週末は2つの新年会に参加した。いずれも約20人から30人と決して大きくない集まりだったが、それでも毎年変わらぬ元気な顔を見ることができた。 ふと気になったのが、女性の多さだった。1つの会に関していえば、男性会員は都合上参加できなかったため、出席者全員が女性だったのだ。

別の会では簡単なあいさつを依頼されたため、本紙ならではということで昔の記事を紹介した。主催団の50年前の新年会記事だったが、コミュニティーに縁深い関係者の名前が多くあった。

後で気が付けば、そのほとんどは男性だった。全員が女性だった別の会と同様、今年の新年会での出席者は女性が大多数を占める。本紙は、その団体とは半世紀の間、変わらずのお付き合いを続けているわけだが、毎年紹介する記事の中味、写真などで、その変化を感じ取ることができるだろう。

女性の社会進出やリーダーシップが声高に上がる中、当地コミュニティーでも女性の活躍を多く見ることができる。一方、各行事で地元社会の代表者が呼ばれるのを耳にすると、依然として男性が多い時代が続いているともいえる。

女性出席者で占められた一団体の高齢会員に聞くと、他団体に比べて、女性会員を早くから取るようになったとのことだ。気がつけば、会員ほとんどが女性という状況は、当時からすれば、誰も想像できなかっただろう。

1949年発足のシアトル日系人会でさえ、女性会長が昨年、ようやく誕生したばかりだ。今後も時間をかけ、コミュニティーの姿も想像の先を行く変化を遂げるかもしれない。

(佐々木 志峰)

佐々木志峰
オレゴン大学でジャーナリズムを学んだ後、2005年に北米報知入社。2010年から2017年にかけて北米報知編集長を務める。現在も北米報知へ「一石」執筆を続ける。