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違った角度から健康を見直す! リビング・ウェル・ヘルス・フェア

高齢者養護施設の敬老ノースウェストと、日系市民協会(JACL)が主催の、リビング・ウェル・ヘルス・フェアが10月21日に開催された。

恒例のフェアは従来の医療、鍼灸や霊気などの代替療法に新しく別の嗜好も加え、60社以上のベンダー、団体が参加した。悪天候にもかかわらず、会場となったビーコンヒルのブレイン・メモリアル・ユナイテッド・メソディスト教会のジムは、約350人の参加者でにぎわった。

「みんなが考える一般的なヘルスから広げて、実際の体だけでなく、精神、情緒までにわたる健康管理を検討しました。健康食品ももちろんですが、たとえば、高齢者・病人に良い影響を及ぼすと知られているペットも、ヘルシーなペットフードで健康管理しよう、というわけです」と敬老ノースウェストのダーシャ・タナベさんはブースを紹介しながら説明。JACLのソーシャル・ジャスティスはコミュニティー全体をポジティブな方向に持っていく。「ガーデニングや室内でのマイクロ・シードの育成は、そのエネルギーもですが、空気、地球の環境を良くするので、エコの観点から非常に良いことです」と同ホームのオーガナイザー、朝見リンダさんは語る。

折り紙のブースでは、指先の神経の鍛錬となるほか、こんな効果も。「初め『忘れちゃった』と言っていたおばあちゃんがだんだん思い出してきて、『子どものとき、よくやったわね』と最近のことは思い出せなくても昔のことをどんどん思い出すんです。会話をすることで早く考えることに慣れてきて、精神的にも体全体でも元気になります」と、P.A.P.E.R(Puget Area Paperfolding Enthusiasts Roundtable)のハヤツあゆみさん。また古今太鼓のブースでは、見る側も叩く側も太鼓から伝わる強烈なエネルギーを受け取れる。

そのほか、ハーバービュー・メディカル・センター、デイビッド・ターシュウェル神経科医の脳溢血の初期症状についてのセミナー、キッチンではウミ・オーガニックのポートランド産ラーメンや、本多ゆかさんによる地野菜を使った料理のデモンストレーションも。会場では、ポートランドのソイ・ビーム・ジョウゾウによるヒヨコ豆の味噌、エッセンシャル・ベーキング・カンパニーのグルテンフリー食品など、サンプル試食に列ができた。シニアのフラダンス、ウクレレのステージでは、訪れた人たちから温かい声援が送られた。

クリエィティブな表現でビジョンと情熱をシェアすることを目標とした今年のフェア。日系コミュニティーに提案した新たな健康管理が、来年のフェアにどんな波動として広がっていくか注目される。

(天海幹子)

東京都出身。2000年から2004年までジェネラルマネージャー兼編集長。北米報知100周年記念号発刊。「静かな戦士たち」、「太平洋(うみ)を渡って」などの連載を執筆。