文= 松崎 彗
地元福祉団体「敬老ノースウエスト」が1日、リハビリテーション・ケアセンターで高齢者のための転倒事故防止セミナーを開催した(写真英語2面)。地元医療、福祉関係者による講演や展示ブースを通じ、転倒防止のための啓蒙が行われた。
データによると、全米で65歳以上の高齢者の4人に1人が一年間で転倒事故を起こし、11秒に1人が転倒で緊急搬送され、19分に一人が転倒が原因で死亡しているという。転倒事故は誰にでも起こる注意すべき問題だ。
当日はまず、レントン市のアイオラ総合診療所のロッキー・ヨルゲンセン看護師が、身体・環境・自己主張・精神面といった分野から転倒防止対策について講演を行った。
自身の安全と独立性のバランスを保ち、転倒は誰の身にも起こること、転倒を恐れて外出しないのは解決にはならないこと、ウォーキングやガーデニングなど日常に取り入れられる運動で体力を保てること、家族や医師と遠慮せず話し合うべきであることが説明された。出席者約60人の高齢者たちも自らの転倒体験を共有し、防止策について意見交換を行った。
高齢者向けフィットネスセンター「パッドマドル・フィットネス」の医療エクササイズ専門家、コーチ・リサ氏は歩行杖の有用性について講演。高齢者は転倒への不安から足元を見て歩く傾向にあるため、腰への負担と視野の狭さが悪影響を及ぼすこと、歩行杖を使って正しい姿勢で歩くことで60%多くの筋肉を使い、40%多くカロリーを消費し、健康維持につながることが説明された。杖の持ち手や先端の丈夫なゴム、個人の対格差に合わせた長さの調整の方法への解説があった。
講演後には、高齢者と障がい者の支援団体「サウンドジェネレーションズ」や運動靴、老眼鏡メーカーなどがブースを出し、参加者に向けて商品やサービスの紹介を行った。