文:松崎 慧
4月14日から16日にかけて、シアトル・ワシントン州コンベンションセンターにて、毎年恒例の「桜コン」が開催され、2万人以上のアニメファンが参加した。
同イベントは、アジア・ノースウェスト文化教育協会が1998年から毎年春に開催し、日本アニメ関連のイベントとしては米国有数の規模を誇る。
日本のアニメやドラマをオンライン配信しているクランチロール社(本社:サンフランシスコ)も今年の参加団体の中心的存在として、ブースやパネルディスカッションによる販売促進を行っていた。ここ数年で急成長している同社は、テレビ東京(本社:東京港区)と専属契約を結んでおり、日本で放映されたアニメに英語字幕をつけたうえで米国内で配信している。課金している有料会員へは日本放映から1時間後、無料会員には翌日に配信している。桜コン開催期間中も、同社の最新アニメ配信情報パネルは大きな注目を浴びていた。
来年で20周年を迎える桜コン。参加者は、開催から毎年増え続けており、一般参加の事前申し込みには毎年数時間待ちの長蛇の列ができるほどだという。主催者によるデータによれば、2013年には、同イベントは約1900万ドル規模の経済効果をシアトル市内にもたらしたとされる。2012年には日本の東日本大震災へのチャリティーオークションを行い、9万ドルを寄付した。
近年の日本の漫画・アニメ文化は、今や日本を代表する主要産業の一つだ。一般社団法人・日本動画協会の発表によると、2015年のアニメ産業市場の規模は1兆8253億円になり、前年比12%の急成長を遂げた。テレビ放映されるアニメーションに加え、映画、ゲーム、マーチャンダイズ商品、さらに舞台化や展覧会などの派生商品の幅も広く、収益もそれに伴って拡大しやすいのがアニメ産業の特徴でもあり強みでもある。