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日系人強制収容とネイティブ・アメリカンの歴史

デンショーがオンラインでパネル・ディスカッション

日系アメリカ人の強制収容の歴史を伝える非営利団体デンショー(Densho)が7月11日、ネイティブアメリカ人の居留地と日本人強制収容所の関係性についてのパネル・ディスカッションをオンラインで開催した。「Japanese American Incarceration on Indigenous Lands」と題された同イベントは、強制収容所への訪問を促して歴史教育を行う「JAMP ( Japanese American Memorial Pilgrimages)」との共催で、JAMPのYouTubeチャネルで公開された。現在も動画は閲覧可能た。
モデラ―を務めたのは、日系4世でハート・マウンテン強制収容所などで収容所生活を経験した家族を持つハナ・マルヤマさん。マルヤマさんは、ミネソタ大学博士課程で日系人収容所の建設がアメリカ政府によるネイティブ・アメリカン居留地の強制的な移動に利用された可能性について研究している。
パネラーは、アキメル・オオマーン族でフフガン・ヘリテージ・センターに務めネイティブ・アメリカンの言語や伝統文化について教えているロバート・ジョンソン氏、クロウ族でネイティブアメリカンの地位向上の団体などで代表を務める活動家のジャニーン・ピース氏、ナバホ族でかつてネイティブ・アメリカンの言語や文化を禁止して白人文化に同化させようとしたインディアン寄宿学校に関する研究を行っているダヴィーナルース・トゥベアーズ氏が登壇した。3人が、各々にネイティブ・アメリカ人の居留地がどのような経緯で日本人強制収容所として使われていったかなど、その関係性について意見を述べた。
トゥベアーズ氏は、自身の研究をもとに、「インディアン居留地内にあったナバホのインディアン寄宿学校は洪水によって1942年に閉鎖したと言われている。しかしその後1943年、その地に日本人強制収容所ができた。学校が閉鎖された理由は日本人強制収容所を作る場所が必要だったからではないか。ナバホの学校と日本人強制収容所には強い繋がりがあると思う」と述べた。今後もインディアン寄宿学校と日本人強制収容所の関連性について研究・調査を続け、教育しながら世代に語り継いでいきたいとも語った。