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ともしび文庫が新館起工式 コミュニティー内外から支援

イーストサイドの日本語図書館「ともしび文庫」の新館建設を目指すグループが2月14日、ベルビュー市内の非営利団体ジュビリーリーチ内の建設予定地で起工式を行った。コミュニティー内外で広がった支援の輪が実を結んだ。

日系関係者の自宅倉庫を利用して開設されたともしび文庫は、20年間のボランティア運営のあと、2011年に閉館。その後、末吉陽子さんら利用者が中心となり、文庫再開を目指す「ともしび文庫をみんなで続けようプロジェクト」を発足し、支援の輪を広げてきた。

ベルビュー地域のコミュニティー支援機関「ジュビリーリーチ」のプログラムの一環として再開の目標が立ち、2013年にはベルビューチルドレンズアカデミーの協力を受け、土曜日のみの本の貸し出しが可能となった。6年の活動でコミュニティー内外から集まった寄付は3万㌦を超え、当初の目標だったジュビリーリーチ敷地内での文庫開設のめどが立った。

「新生ともしび文庫が完成したら 図書館という枠にとらわれずにこれを橋渡しとして今度は私たちが日本人コミュニティとして地元コミュニティに貢献していく役割も果たせるようになりたいと考えています」と末吉さんは話している。

現在会員数は1400人以上、毎週平均100人が足を運ぶという。今後は土曜日の文庫として人気を集めるベルビューチルドレンズアカデミーの図書館は続けられ、新館と合わせて2文庫が運営されることになる。

ジュビリーリーチ敷地内での新文庫は水曜日を開館日とする見込み。完成時期ははっきりと決まっていないが、書籍は約100箱分が用意されており、漫画コーナーなども充実させる計画という。ベルビューチルドレンズアカデミーには2万冊が置かれ、寄付も多数に及んでいる。関係者が文庫2カ所でバランスよく書籍をそろえるという。

(佐々木 志峰)

北米報知は、ワシントン州シアトルで英語及び日本語で地元シアトルの時事ニュースや日系コミュニティーの話題を発信する新聞。1902年に創刊した「北米時事 (North American Times)」を前身とし、第二次世界大戦後に強制収容から引き上げた日系アメリカ人によって「北米報知(North American Post)」として再刊された。現存する邦字新聞として北米最古の歴史を誇る。1950年以前の記事は、ワシントン大学と北米報知財団との共同プロジェクトからデジタル化され、デジタル・アーカイブとして閲覧が可能(https://content.lib.washington.edu/nikkeiweb/index.html)。