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運送サービス新時代?

繰り返し利用可能な宅配ボックスも一部地域で開始した ©UPS

ジョージア州アトランタに拠点を置く貨物運送会社、ユナイテッド・パーセル・サービス(以下UPS)は1月22日、新しい宅配システム「ラッチ・スマートアクセス」(以下スマートアクセス)のシアトルを含む10都市での試行を発表した。スマートアクセスは、受取人が家に不在でも、より安全で確実に宅配物を届けることを目指したサービス。2018年から、ニューヨークのマンハッタンでテスト運用していた。

アメリカでは約2,000万世帯がアパートなどの集合住宅に住み、その数は毎年約35万世帯ずつ増えているという。UPSはこれまで、基本的に受取人のサインなしでは荷物を置いて帰らないとしていた。受取人が不在の場合、アパートなど建物内に宅配ロッカーがあれば、そこに届けられるが、宅配ロッカーのある場所ばかりではない。特に都市部などでは、宅配ロッカーに利便性を求める人が多いのも事実だ。

スマートアクセスでは、不在時に宅配があると、受取人がスマートフォンの専用アプリ(UPS MyChoice®)を使って、遠隔から建物ドアを開錠する。開錠できるのは建物のエントランスなど共有エリアで、個々の部屋ではない。配送者は、建物内の安全な場所に荷物を置いて帰ることができる。また配送者の持つ端末デバイスにカメラが埋め込まれており、受取人は配送の様子を視覚で確認できる。

留守中の監視カメラや自宅照明のコントロールなど、家電をインターネットでつなぎ、スマートフォンでコントロールする「スマートホーム」が近年話題となってきている。UPSのスマートアクセスも、これら最新技術を駆使したサービスだ。運送サービスの競合ではアマゾン・ドットコムが1月23日、宅配ロボット「アマゾン・スカウト」サービスをスノホミッシュ郡の一部で開始したばかり。ロボットが自宅まで荷物を届けるというもので、盗難防止セキュリティーなどあらゆるテクノロジーが駆使されている。現在、特許申請中だ。オンライン・ショッピングが主流のアメリカでは、今後も運送ビジネスをめぐる主導権争いが激化していくだろう。

(小林真依子)

編集ライター。金融機関で勤務の後、留学のためシアトルへ。毎日の小さな「オモシロイ」を求めて日々シアトルを探索中。テクノロジーの町にいながらアナログを楽しむ関西人。