シアトル市の住宅価格高騰の問題はますます深刻だ。シアトル発の不動産情報サイト「Zillow」が4月9日、全米50都市における同社の住宅価格指標を時給換算した結果をプレスリリースで公開した。その調査によると、シアトル市で住宅を購入するには時給54ドル稼ぐ必要があり、ニューヨーク市を抜いて全米3位。
一般的な全米平均は、2018年2月末時点での住宅価格中間値が21万2百ドルで、2017年2月末の19万5千4百ドルから7.6%の価格上昇となっている。時給にすると国が定めた最低賃金7.25ドルを下回る、7.09ドル。しかし全米50都市のうちのワシントン州を含む24都市では、最低賃金以上を稼ぐ必要があることも発表している。
ランキングでは1位にカリフォルニア州サンノゼ市、2位にサンフランシスコ市が並んだ。シリコンバレーの中心地であるサンノゼ市は、2017年の1年間で住宅価格の中間値が100万ドルを超え、時給にすると99.81ドル。2017年に同社が行った消費者への住宅に関する意識調査では、米国民の7割が住宅購入を長期投資として重要視し、全資産の4割が住宅であるという結果も出ている。
シアトル市は都市の成長と比例して人口も増え続けており、住宅不足に陥っている。不動産は買い手が売り手を上回り、年々その高騰ぶりが深刻化。貧困層が市外へ引っ越すなど人口流出も起こっている。今回の調査結果から、そうした住宅危機がより進んでいることが明らかになった。 (山川 彩)