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シアトル市警911対応 地区によって18分、目標7分

シアトル市警への911通報後の対応時間に地域、犯罪によってばらつきがあることが指摘されている。2日付のシアトル・タイムズ紙電子版が報じている。

同紙によると、バラードなどでは家庭内暴力(DV)の通報を受け、警察が到着するまでに18分かかるという。現場到着までの目標時間は7分以内とされていることから、10分以上遅れていることになる。

シアトル警察の広報部によれば、「どの地域に住んでいたとしても、すべての通報は平等に扱われる」という。一方で、パイク、パインストリート沿いのキャピトル・ヒルやシアトル大学周辺では5分以内に警察が駆け付ける。

地理的にみると、シアトル北部はI―5で東西を分断されており、警察の到着が遅れることが起こるのはある程度仕方がない。シアトル市警によると、頻繁に警察が遅れるわけではなく、ほとんどの通報に対して迅速に対応できているようだ。

一方で犯罪の種類によって実際の対応時間が変わることがあるようだ。強盗や不法侵入、発砲などは2分以内に警察が到着するが、家庭内暴力に関しては10分以上掛かることがあるという。DVは何が起きるか予想し辛く、通報を受け取ってから数分以内に事態が収束したり、逆により危険な犯罪に発展しやすくもある。通報時の聞き込みで情報を把握することが必要で対応に時間が掛かるのだという。

現在シアトル市警では、より効率的な対応ができるようにコールセンターの人員や911へのネットワーク回線を増やすことで改善にあたっているという。治安や警察対応に疑念の声があがったインターナショナル・ディストリクト(ID)は移民者が多く、911通報におけるコミュニケーションも問題となる。同地区ではコミュニティー関係者によるタスクフォースが組織され、シアトル市警と連携を図っている。

(白波瀬 大海)

N.A.P. Staff
北米報知は、ワシントン州シアトルで英語及び日本語で地元シアトルの時事ニュースや日系コミュニティーの話題を発信する新聞。1902年に創刊した「北米時事 (North American Times)」を前身とし、第二次世界大戦後に強制収容から引き上げた日系アメリカ人によって「北米報知(North American Post)」として再刊された。現存する邦字新聞として北米最古の歴史を誇る。1950年以前の記事は、ワシントン大学と北米報知財団との共同プロジェクトからデジタル化され、デジタル・アーカイブとして閲覧が可能(https://content.lib.washington.edu/nikkeiweb/index.html)。