11月14日、全国の保育園・幼稚園・こども園のコンサルティングを行うこども保育環境研究所(埼玉県狭山市)とベルビュー・カレッジの間で、交流プログラム20周年を記念したセレモニーと感謝状の交換会が行われた。このプログラムは、こども保育環境研究所の畠山和人代表が1999年に立ち上げ、発足以後、毎年20名を超える保育士・幼稚園教諭が参加してきた。畠山代表自身、ショアライン・コミュニティー・カレッジの幼児教育課程を卒業したことからシアトルに縁があり、日本の幼児教育の現場で働く人たちに国際交流と研修の場を提供することを目的に、ベルビュー・カレッジとこの20年間を共に歩んできた。
今年は日本全国から31名が参加。ベルビュー・カレッジ付属のプリスクール、アーリー・ラーニング・センターで3日間の研修を受けた。アメリカの幼児教育の最前線で、さまざまなバックグラウンドを持つ子どもたちや教職員との関わることができ、参加者は多くの学びがあったと話す。研修2日目にはベルビューにある日本語と英語のバイリンガル・プリスクール、ピカケスクールの斉藤カルコ—ヴァン智美園長が登壇し、日米の幼児教育や子育ての相違点・類似点などを講演。「子どもたちにとって今、世界はどんどん狭くなっている。大きくなったらどの国・どの町に暮らしてどんな仕事をしているか、その可能性は無限大。世界を股にかけて活躍していく子どもたちを大きく育てて欲しい」と参加者にエールを送った。
群馬県高崎市から参加した認定こども園、法輪寺ブロッサムガーデンの三浦美恵子園長と柴山あずさ副園長は今年でそれぞれ2回目、3回目の参加。「日米の違いをさまざまな視点から感じることができ、参加するたびに新鮮な気持ちになれる。多種多様な保育・子育てを学ぶことができた」と、感想を述べた。また、福岡県春日市、まみぃ保育園から今年初めて参加したのは、50歳で脱サラして家業の保育園を継いだという時枝輝明理事長。「スケールの違う広大なスペースと豊富な遊具がそろう環境がうらやましい。グループでの関わり方を学ぶ時間でも、ひとり遊びの時間でも、子どもたちの自主性を大切にしながらの“静”と“動”のコントロールがとても上手。企業からの資金が入りながら、園独自の裁量が大きいことにも驚いた」と、印象を語ってくれた。
セレモニーには、プログラム発足時から参加していたアーリー・ラーニング・センターのリサ・ミラー園長と、ベルビュー・カレッジ役員のゲイル・バーグ氏も出席。畠山代表はスピーチの中で、「リサを始め、ベルビュー・カレッジのこの20年間の尽力に本当に感謝している。ベルビュー・カレッジは日本の幼児教育の世界ではすっかり有名になった。これからも国際理解を大切にする、視野の広い保育士・幼稚園教諭を育成するお手伝いができるように頑張っていきたい」と語った。
(磯野 愛)