連邦議員当選14期の重鎮、ジム・マクダーモット連邦下院議員(79)が4日、任期限りでの引退を発表した。様々な行事に顔を出した日系社会ともつながりが深く、関連団体からは感謝の声が聞かれている。
マクダーモット下議は州議会議員などを務め1988年に州第7 区で初当選し、その後は選挙対抗馬を寄せ付けない安定した地盤をもとに14期にわたり任期を務めている。
当選後、約40回にわたり渡日するなど日本との縁も深く、日米政治家の交流の枠組みとなる日米国会議員会議で議長を務め、連邦議会では日本研究グループの中心として対日理解に努めた。2014年には「日米議会交流の活性化及び米議会における対日理解の促進を通じた日米同盟の維持・深化への寄与」を讃えられ、旭日重光章を受章した。
学生時代の親友から収容所や家族の戦場経験などを学んだ経緯から日系社会への知識も深く、二世復員軍人会(NVC)のメモリアルデーの慰霊式典に毎年出席するなど、深い友好関係を築いた。
2007年のNVC記念会館改築では連邦予算助成を支援。12 年には第二次世界大戦の日系兵士へ送る議会名誉黄金勲章の地元式典に出席した。NVC記念会館にある記念壁には、マクダーモット下議の名前を見ることができる。
ユウゾウ・トキタN V C コマンダーは、「何の発表もなくメモリアルデー式典に出席してもらうなど、多大な支援をいただいたことに会員一同感謝したい」と語る。日系市民協会シアトル支部もフェイスブック上で、これまでの任期での政治活動をねぎらった。
2016年の大統領選挙の年にあたり、報道によると、連邦会員議会を離れる現役議員はマクダーモット下議で31人目にあたる。
(佐々木 志峰)