シアトル日本商工会、通称「春秋会」は1960年に設立され、来年60周年を迎える。春秋会の前身となる「木曜会」は当時の総領事と在シアトル日系企業によって1922年に発足した記録があり、そこから数えるとおよそ百年の歴史を持つ。現在の会員企業数は約135社、個人会員も入れて総勢360名を数え、①子女教育の充実(シアトル日本語補習学校の運営)②地域社会との交流(イベントへの参画や協賛など)③会員相互の親睦(専門家を招いた勉強会や新年会等の親睦イベントなど) の三本柱をミッションに、それぞれ教育部会、交流部会、経済文化部会に分かれ、毎年選任されるおよそ約30名ずつの理事メンバーを中心に熱心に活動を行っている。
その春秋会で、事務方の屋台骨とも言える事務局長が、今年の4月で交代となった。8年の長きにわたって事務局長を務めた黒澤良春さんが名誉顧問となり、鶴田朝美さんがその後を継ぐ。黒澤さんは「商工会はビジネス・アソシエーションなので文化面のみならず、ビジネス面も通じて地元のコミュニティーに日本企業をアピールできるよう尽力してきた。今後も何か目に見える形で、日本企業による地域への経済貢献を通し、日本への理解を一層深めてもらうことができるように、これからも春秋会として努力していきたい。また現在、当地にて駐在日本企業や在留日本人が一定の評価と信頼を得てビジネスに従事し、安心して生活ができるのも、苦難の歴史を乗り越えて脈々と受け継がれてきた日系コミュニティーのおかげ。感謝の念に堪えない」と語った。新事務局長の鶴田朝美さんは「先代事務局長にならい、地域との円滑なコミュニケーションを心掛けると共に、会員の皆様が楽しめるように努めます。また数年ごとに入れ替わる会員企業の皆様に日系コミュニティの歴史や、日系企業が支えられて来たことを引き続き伝えることも事務局として大切な役割だと考えています。日本を代表する企業団体である商工会を支える事務方として、大役ではございますが会長や常任委員をしっかり支えていくように頑張ります。」と意気込みを話してくれた。
(磯野 愛)