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コミュニティーとスポーツ

長年シアトルの日本人プロスポーツ選手の顔として、今も地元ファンの記憶に残り続けるイチロー選手。所属先のマイアミ・マーリンズでは、限られた出場機会の中で結果を残し、リーグ通算3千本安打も今シーズン達成を視野に入れている。

岩隈久志投手、青木宣親選手が所属するマリナーズは、今シーズ ンは好調のようだ。PR側も様々なイベントを発表している。

女子スポーツも負けていない。2年前には女子サッカーのレインFCに川澄奈穂美選手が所属。今週は女子ゴルフのメジャー大会「KPMG女子PGA選手権」がサマミッシュのサハリーカント リークラブで開催されており、日本人選手も多く出場している。この分野で話題に欠くことのは ない。

中心は女子バスケットボールのストームで昨年から活躍する渡嘉敷来夢選手。 昨年はシーズン途中から先発の座をつかみ、本紙でもその動きを追 い続けた。

今シーズンは将来チームのみならずリーグをけん引する存在になるとされるブリアナ・ スチュワート選手が加入。渡嘉敷選手は,8試合で出場時間は 12・8分。日本では絶対的な存在も、米国では1チームの控え選手という立場にある。一方、 昨年から評価の高い守備を軸にチームの流れを活性化させる役割を担っているようだ。

ファンを含め周りからは様々な期待が寄せられるだろうが、渡嘉敷選手はチームでの役割と立場を理解、自身が得意とする守備や動きでの貢献を第一としている。開幕戦では選手交代の第一オプション、試合終盤もコート に立つなど信頼は高いのは事実。チームもリー グを制覇した時代を呼び戻すべく、復権へ 向けたプロジェクトが確実に進められている。5月 22 日の地元開幕戦にもあったように、今シーズン序盤の戦いぶりは昨年と明らかに異なるようだ。

WNBAは夏季五輪のため、7月で中断され、8月に再開し9月まで続く。地元日系社会では昨年も開催したように ジャパンナイトを8月31日の試合で予定している。渡嘉敷選手は、「シアトルの日本人はみなファミリー」と 語り、応援に対し、「プレイを見てもらって恩返ししたい」と話す。 マリナーズから始まりストームまで、当地におけるスポーツを通じた日本とのつながりは途切れることなく続いている。コミュニティー としてサポートを続けたい。

(佐々木   志峰)

佐々木志峰
オレゴン大学でジャーナリズムを学んだ後、2005年に北米報知入社。2010年から2017年にかけて北米報知編集長を務める。現在も北米報知へ「一石」執筆を続ける。