2003年に始まったシアトルのウォーターフロント再開発計画に伴い、州道99号線アラスカン・ウェイ高架橋の撤去工事が3月21日、ついに始まっ た。66年の歴史に幕を下ろすアラスカン・ウェイ高架橋の最後の姿を見ようと、多くの市民がウォーターフロントに集まり撤去作業の開始を見守った。
州道99号線は、シアトルのダウンタウンとウォーターフロントを通過する重要な南北の幹線で、1日の交通量はおよそ9万台以上。アラスカン・ウェイ高架橋は、この州道99号線をシアトル市内に通すために1953年に利用が開始された。しかし、老朽化に加え、2001年にシアトルを襲ったニスカリ地震(マグニチュード6.8)によって沈下やひび割れなどの損傷被害を受けた。
以降、耐震強度に問題があるとして高架道路の地下化と、それに合わせたウォーターフロントの再開発計画が始動していた。これまで、この2層式の高架道路がダウンタウン地区とピュージェット湾の眺望を分断していたが、今回の地下化で、より魅力的なウォーターフロントの公園計画が期待される。
代替となる州道99号線地下トンネルは、日本製の世界最大直径を持つトンネル掘削機によって2013 年より掘削作業が開始され、2019年2月に開通したばかり。全長約3.2キロの新トンネルは、シアトルのスタジアム群とスペース・ニードルまでのエリアを南北につなぐ。通行料は、時間帯によるが1ドルから2ドル25セント。今年は夏までの間、無料で通行できる。詳細はワシントン州運輸省のウェブサイト(http://www.wsdot.wa.gov/ Projects/Viaduct/using-the-new-sr-99-tunnel)にて。